第92話

「まずは資産についてですが、今どれぐらいありますか?」


「金貨200枚ぐらいですね」


「それは王国のだけですよね?帝国のは?」


「2億ゴールドぐらいです」


「それ半分ください」


「無理に決まってるでしょう、結婚前に稼いだお金ですよ」


「すんなりくれるとは思ってませんでしたから良いでしょう」


「それよりヒルダさんの資産は?かなり稼いでいるでしょう」


「金貨50枚ぐらいです」


商人ギルドだけでそんなに稼げるわけはない、俺からのピンハネもたくさんしていただろうし


「その内俺から取ったのは?」


「取っただなんて人聞きが悪い、お金ってものはですね、あるところならないところに流れるように出来ているのですよ」


「俺は孤児院とかの慈善事業して多少なりとも還元してますし、戦争の際だって持ち出し金かなり出しましたよ、あの戦車だっていくらしたと思っているのですか?」


「私もこれからいろんなところへと寄付していこうかと」


絶対に嘘だ、予定は未定とか適当なこと言って誤魔化す気だろうな


「話し合うのは資産のことだけですか?」


「いえ、住むところの話もあります、私は王都希望です」


それはこちらとしても望むところだ、俺の拠点はあくまでもファステルだし、いくら妻とは言え毎日顔を合わす必要はない


「はい、認めます、ヒルダさんは王都に住んでくださってくれていいですよ、何なら家の費用ぐらい出しますから」


「出してくれるのですか?でも足りないんですよね、金貨500枚ぐらいはないと」


こっちの物価って基本日本より低い、金貨500枚なんて日本円にしたら20億ぐらいの価値があるだろう


「そこまでは出せませんよ、出しても金貨100枚までですね、ちなみに伯爵邸ぐらいでどれぐらいで建てられますか?」


「多分300枚ぐらいあれば充分だと」


ヒルダさん1人の家にそこまでの豪邸なんていらないいらない、王都にはヒルダさんだけで住んでもらう予定だ


「金貨100枚まで出しますから好きなところに住んでくださいね、家の問題はこれで終わりです、次は?」


「仕事についてですね、今の商人ギルドの仕事を続けるかそれともナオト君の仕事を手伝うか」


「私はヒルダさんが商人ギルドに居てくれた方が色々と便宜図ってくれると思いますので商人ギルドを推します」


こっちにこられたら全部かき回されてしまう、それだけは避けないといけない


「王都に住むのなったら商人ギルドの方で異動させてくれるかどうか」


「ならファステルに住めばいいんじゃないですか?」


「ナオト君はどっちに住むのですか?」


「私はテレサと日本に住みますからどちらでもないですね」


「なら私も日本に住みますよ」


「無理ですよ、日本語わからないでしょ?」


「それならテレサも同じじゃないですか」

テレサ

「私日本語できますよ、ずっと勉強してきたので」


「結婚の為でなくて向こうでも仕事させるつもりでしたから、実際にシルキーが向こうの仕事してますよ」


「私もこれから覚えます、そしたら向こうに住むことできますか?」


まあ正直日本語のできる奴隷はテレサとシルキーだけでフレイヤは教えたけど無理だった、向こうのアパートが出来たら教えていくつもりだ


「それではそれを目標にしましょう、日常会話ができるレベルまで、合格したら向こうの観光ツァーも付けますよ」


「ありがとうございます、って住む所は保留ですね、王都のギルドに聞いてからですから、仕事に関しても同様ですね」


意外に何も決まってはいない、話し合ってるだけだ、機会を作って今後のことについて話すのも良いことだとは思う


「ナオト君の世界では結婚してから特に何かやる行事はあるのですか?」


「新婚旅行ぐらいですかね、2人きりで誰にも邪魔されずに、ハネムーンベイビーなんて言葉もあるぐらいですよ」


「じゃあそれやりましょう、どこに行きますか?」


「向こうの世界は言葉覚えてからと言うことでしたからフォーセリアの中でどこか行きましょうか、温泉とか食べ物の特産品とかあったりします?」


「特にないですね、大体どこの街でも同じ物食べてますよ、ナオト君が作るパンに勝てる物なんてないんじゃないですかね」


「海の幸とかならどうですか?新鮮じゃないと刺身って食べられないじゃないですか」


「生の魚を食べるのですか?ゴブリンと一緒じゃないですか、食材を調理せずに食べるなんて無理ですよ」


寿司の美味さを知らないものに説明しても無理なのでこれは保留にしておいて、後日現物を食べてもらおう、それでもダメならやめておこう、生卵がダメな外国人も居ると聞くし


「新婚旅行は向こうの国にしましょう、日本語覚えてからと思いましたが、海外だと意味がないのでいつでもいいですよ」


「それなら2.3日の内に出掛けましょう」


「ちょっとだけ待ってください、準備に時間掛かるのと向こうでの飲食店のオープンが待ってますから、それが終わってから、大体1週間ぐらい、そこからのスケジュールは空けといてください」


「私の予定なんてライトさんがなんでも出来るから大丈夫ですよ」


こき使われてるライトさんに同情する、もうそろそろ異世界フライ店もオープンだ、初日からお客さんが来てくれるといいな

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