第105話
「おはようございます ナオト様」
「やめてくださいギルド長、今まで通りの呼び方でいいですよ」
「今からサーティスの商人ギルドに行くのですよね?昨日おざなりな対応した人が、王都のギルド長から様付けで呼ばれていたら高貴な身分な人って思いませんかね?」
「その通りですね」
「実際にナオト様は王族なのですから様とお呼びしても問題はないかと思います、ヒルダ様と違って放逐されていたわけではないですし」
遠回しにヒルダはディスられていた、事実なので文句はないが、放逐なんて前代未聞らしい、復帰はそれ以上にないことだと聞いた
「今日だけその呼び方を認めますよ、次にそんな呼び方をしたらギルドに卸す商品止めますからね」
グラスと鏡をギルドに卸すことにした、一般売りにしても売れないのでギルドに貴族用に売ってもらうように卸してある、そのまま他国へも行くようだ
ハルクとギルド長を伴って街の外に出た、そこでまたヘリを出し、乗るようにギルド長に促すと
「食べられませんか?この魔物に」
初めて車に乗せた時のうちの奴隷達の反応のようだ
「これが移動の魔道具です、ここからサーティスまでは4,5時間で着きますよ、早く乗ってくれないと移動できません」
ヘリの定員は俺を入れて6人なのでスペース的には全く問題ない、これの操縦もハルクに任せていきたいところだが危険が高いためしばらくは保留だ
「はい、それでは失礼します」
みんなを乗せ飛び立ち、後はサーティスを目指して飛ぶのみだ
「王都のうちの店の評判はどうですか?」
「女性客が凄いですね、しはらくは繁盛が続きそうですが、従業員が足りてないみたいですね、かなり疲れた顔をしてます」
「まだ店が開店して間もないとので慣れてないだけではないですかね?」
「それもあるかとは思いますが、入り口で店内の人数を把握し規制するひと、商品代金の計算をする人、商品を渡す人と3人は必要なのに2人しか居ませんから」
「ヒルダを入れて3人ですよね?」
「ヒルダ様は毎日はいらっしゃらないようですよ、たまに見掛けますがカウンターの横の椅子から立ち上がっている姿は見たことないですね」
ヒルダは口は動くが手は全く動かさないのだな、お店を任せてある以上干渉は出来ないので放置するしかないか、今度従業員を増やすよう意見だけ言ってみよう
「規制の人だけは居なくても成り立ちますが店内はカオス状態ってことですか?」
「はい、万引きもかなりされてるみたいですよ、普通は入り口でバッグを預かりますがそれをする人が居ないようですからね」
万引きに関してはされてもヒルダは全く困らない、商品が万引きにしても売れたのだとしても俺がいくらでも無料で仕入れるので、それよりも従業員を雇えば絶対に経費が掛かるのでそっちのほうが嫌なのだろう
商品なんて二束三文だからいくらでも寄付しようと思っていたのが裏目に出たな、今回の計り売りって結構手間が掛かるもんだからな、油と蜂蜜売るのは時間が掛かるだろうし、トランプに関しては詳しく説明しないと売ることもできない
新しい店でもこの経験を活かせていきたいと思った
そろそろサーティスに着く、すぐにギルド長と一緒にサーティス商人ギルドに向かう
昨日と同じ人たちがこちらに顔を向けることなく話してい、誰かが入ってきてることに気付くが挨拶もない
「おいっ」
やっと顔を上げた
「これはギルド本部長、今日はどうされたのですか?前もって言って頂ければお迎えに行きましたのに」
昨日の対応とは全く違う丁寧な物言いだ
「昨日はナオト様に失礼な対応をしたらしいな、この方はどなたかご存知か」
なんか水戸黄門になった気分だ
「昨日来てすぐ帰った人ですね、誰なんですか?」
「王位継承権のある王族のスギヤマ様だ、ご機嫌を損なえばお前たちを処刑することもできるのだぞ、この世に未練はもうないようだな」
こんなやり方は流石に好みではない、権威を持ってではなく実力です持って評価してもらいたい
「いえ、まだ死にたくはないです、対応を改めさせて頂くので処刑だけはお許しを」
「処刑なんてしませんよ、しませんけど、いつも来たお客さんに失礼な対応をしてるのですか?」
「いえ、そのようなことは、、、、」
「では本当に忙しいのですか?ずっと2人で話してるようですが」
「実はトラブルが起こっておりその対応に毎日追われています」
「どのようなトラブルなんですか?それを解決できたらこちらの用件を聞いて頂くことは可能ですか?」
「神出鬼没の海賊が出て交易船が入港できなくて物資の搬入がうまく出来なくて、それをどこから仕入れるかと海賊対策とで困っております」
さてとどのようなやり方をしようか、陸の敵であれば戦車でドカーンと、吹っ飛ばせば終わりだが、海の上の敵まで大砲は届かないだろう
ここはフレイヤの手を借りて解決するとしよう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます