第106話
「トムルンさん、私は1度ファステルに戻らなければいけませんがどうします?」
「私はここに残って手伝いをしてます、ナオト様はどうされるのですが?」
「ファステルに戻って海賊退治の秘密兵器を用意してきます」
「そうですか、宜しくお願いします」
「先日は酷い対応をしてしまって申し訳ございません、サーティスの町の為に宜しくお願いします。」
町の危機にふらっと入ってきた俺に丁寧な対応をする余裕はなかったのだろう、事情を聞けば充分に同情の余地がある物言いだ、困っているのなら助けてあげよう
一路ファステルに向けて飛ぶ、フレイヤだけでなんとかなりそうだが念のためシルキーとテレサにも救援頼むとしよう、人数は多いに越したことはない
「フレイヤ、シルキー店は閉めていいからすぐに俺と来てくれ」
テレサは今日は孤児院食堂で働いているので町の外に出るついでに連れて行く
「今からサーティスの町に出た海賊退治をする、フレイヤはもう光と火の魔法を使えるんだよな?」
「うん、レーザーも使えるようになったよ」
ライフルなんかよりもよっぽど最先端だ、光の属性だけでなく火の属性を持っているのでレーザーに熱を持たせることが出来、殺傷力が生まれる、光より早く動けるものは居ないので遠距離攻撃としては無敵だ
冒険者になればすぐにAランクぐらいにはなれると思うが本人にその気がないのでゲームが出来る俺の奴隷であることに満足している
サーティスの近くまで行くと一旦ヘリは隠す、町の中に入り、海賊船が出るまで待機だ、すぐに飛べるように海岸線でヘリは待機させてある、作戦は各々に伝えてあるので一報が来るまで待つのみだ
テレサが作ってくれたおにぎりを食べながら待っていた
「シルキーハワイ楽しかったか?」
シルキー
「美味しいものがたくさんあって楽しかったです、ナッツの入ったチョコレートたくさん買ってきましたよ」
「俺としてはパイナップル型クッキーのほうが好きかな」
シルキー
「それ聞いてないですよ、もっと早く言ってくれたら買ってきたのに」
「今度買ってくるから許してくれ」
1度行けばしばらくは行かない、充分堪能できたし
フレイヤ
「海にお魚たくさん居て楽しかったよ」
猫獣人だけに魚は好きなのかな?でもいつもは肉のほうがよく食べてるイメージだ
「テレサは2回目だったけどどうだった?」
テレサ
「フレイヤ、シルキーと一緒だと楽しいですよ、見てるだけで面白いですから」
確かにこいつら欲望に忠実だからな、シルキーは食欲、フレイヤはゲームとかはしゃぐのが大好きだからな
「海賊が出たぞー」
船乗りの叫び声が聞こえてきた
「よしみんな乗るぞ、海賊船を探す」
急いで飛び立つと出たと言われた方向に向かっていく、海賊船はどうやら3隻あるようで町に向かって火矢や魔法で攻撃している、一隻ずつ上空に飛び作戦の開始だ
「じゃあまずはシルキー、ハルク、テレサ油を巻いてくれ」
海賊に気付かれないぐらいの上空には飛ぶが船なんて的が大きいもの外すことはない、ただ食用サラダ油を使うなんてもったいない気持ちがするだけだ
3隻全部に撒き終わると、今度はフレイヤに
「じゃあ火魔法撃ち込んでくれ、ファイヤーボールでもファイヤーアローでもなんでもいいぞ」
フレイヤ
「ファイヤーストーム」
すごい魔法を放った、この火の勢いなら油いらなかったかもしれない、船が次々に炎上し海賊達はみな海に飛び込んでいった、おそらく何が起こったか余り把握はできないだろう
ヘリを海岸線に戻し、今度は上がってくる海賊達に向かって
「じゃあトドメを刺そう、フレイヤ今度は光魔法で頼むな」
レーサーの魔法で次々と倒していく、念のためライフルも構えていたが、レーザーには勝てない、光なので有効距離が無限だ、的に当たっても突き抜けていく、当たった的には簡単に穴が空くのみだ
ものの2時間ぐらいで掃討することが出来た、1人ぐらいは生かしておいて事情を聞いても良かったのだがそれは俺の仕事じゃないので無視して全滅させた
終わった後は商人ギルドに戻って報告をした
「トムルンさん、海賊は全滅させましたよ、こちらの被害は0です」
「え?もう終わったのですか?」
「私には優秀な部下がおりますからあの程度大したことはないですよ」
「この度はサーティスの為のご尽力、この町のギルド長として感謝致します」
「言葉でなくて物で感謝してもらいますね、今度この町にお店を開きたいのですがその為の物件探しをお願いします」
「それぐらいならお安いご用です、このハーツにお任せください」
これで無事お店開店の為に進展することができた、サーティスのギルドの悪い噂は全部嘘だった、なぜそんな噂があったのかは今はまだ不明なままだ
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