祖母の家の倉庫が異世界に通じているので異世界間貿易を行うことにしました。

第19話

テレサが心配だ、体調は戻っているだろうか、まもなく開店の時間だか、治ってなければ今日は休ませよう

戻るとテレサが開店準備をしていた、身体の動きがぎこちないが、立って動いている、無理しなくて良いのに

「寝てていいぞ、下に行って休んでろ」

「いえ働かせてください、私を売らないでください。」

そっちの心配か、もちろん返品するつもりはない、だが今日は店を営業せず別のことをしてもらおう

「売るつもりはない、今日はお店をせずに違う用事をさせることにする、着いて来い」

「はい」

何をされるのか心配そうを目が泳いでいる、動揺してるの丸見えだな、若いだけに隠すのが下手だ

現代へと通じるドアに行く、俺と同行する時に限り、行動の制限がない為、今度はドアを開けても罰を受けることはないだろう、ドアを開け

「ついてこい」

黙ってついてくる、昼夜が変わったことに驚いている、景色に関しては出たところで田舎なのでそこまで違和感はないだろう、都会の真ん中にでも連れて行ったらどんな表情をするのか見たい気がするが

自分の奴隷にサプライズを仕掛けても何の得にもならない。

「これが俺が本来生活している世界だ」

「ご主人様の世界はこんなに暗いのですか？」

まさかいつも夜だと思ってる？時差を説明しても良いけど理解してもらえるだろうか、やめておこう、それより今から車に乗って街に移動しようかな、街中に行けば驚くだろう

「今から車に乗って移動するが騒いだりするなよ」

「私そんなはしゃぐほど子供じゃありませんよ、もう16歳ですし」

（まだ16歳だよ）

言葉がわからないから変なことを口走ったとしても周りからは何を言ってるかわからないからいいか

鉄の箱(自動車)に驚くテレサを押し込め、車を走らす、馬車の感覚で居たようで、馬が居なくて走る車を不思議そうにしていた。1時間ほどで祖母の家の近隣の市街地に着いた

こっちの飯でも食わしてやるか、子供に人気なのはやっぱりハンバーガーだな、チェーン店でいいや

「テリヤキセット、飲み物はコーラで　それを2つ」

言葉が通じない為テレサは何を言ってるのかがわからなかったが、3分ほどするとトレイに乗っているのが食べ物だとわかり、目を見開いていた

新しいものには興味が湧く、若い者全般的な気持ちはまだ理解できる、歳を取るにつれて新しい物には挑戦する意欲が消え去り戸惑うようになる、パソコンしかりスマホしかりだ

最近の若い人はパソコン打ちが出来ない人が増えているようだ、テンキーに慣れすぎだな

テーブルへ行き食べるように促すと、一緒に食べることに抵抗があるようだか、そんなものは意に介さず早く食べるように命令する

「俺を待たすほうが悪いと思え」

周りで聞いてる人が居たら　何で奴だ　と思われるがテレサに話してる言葉は向こうの言葉なので全く困らない

「はい、すぐに食べます」

ポテトもテリヤキも幸せそうに食べ、炭酸は戸惑っていた、俺もテレサと同じペースで食べ終わると

「どうだ、美味しかったか」

と聞くと

「肉質はクレイジーブルのほうが美味しいけど、あの調理法はこっちのほうが美味しかったです」

満足していただけたようで良かった

「服とか好きか？」

服なんて要らない着たくないですと答えられると嬉しいが

「ファステルに来てから買うことはないですけど、好きです、余裕があれば買いたかったです。」

年頃の女の子らしいご様子、そんなに欲しいならいくらでも買ってやるぞ、別に俺はロリコンではない、いきなりの大金が入ってきても使い道がないので気が大きくなっているだけ

服屋なんていつもテキトーだからな、特に女の子のブランドなんてな、いつもいくウニクロにしとくか、ユニセックスだし

田舎ではお馴染みのショッピングセンターに着いた、日本最大大手だか、オーナーのコンセプトは"タヌキが出るような処に作る"とのことで田舎には大体あるイメージだ

大きいお店って大体端っこだから歩かなくて済むように着けることが出来る、駐車場直結のウニクロ、便利だな

「好きな物選ぶといい、10着ぐらい選んでおいで、俺はここで待ってるからね」

お店に入ると妙なことを言った

「随分と綺麗な古着屋さんですね、こんな大きくて綺麗な古着屋さん見たことないです」

いやいや、女の子に古着なんて着せないぞ

「古着なんて売ってないと思うぞ」

「新品の服屋さんなんて生まれて初めて来ます、実家ではいつもお下がりで、町では１年で1着しか」

「大変だったな、10着ぐらい好きに選ぶといい」

「そんなに選べません、普通は1着買うと半年は大事に使い、その後は古着屋さんに売ります。」

古着文化すごいな、テレサだけなのか世界的にそうなのかは謎だな、閉店まで余り時間がない。急かすか

「後は３０分で好きな服を持ってこい、何着でもいいが、着ない服は買うなよ？時間ないぞ」

「は　　　　　　　　い」

返事をしながら走って行った、時間がないことに焦っていたのか俺が強く言ったことに焦っていたのか不明だ

２０分ほどでワインレッドと若草色の2着のワンピースを持ってきた、２つて7000円ほど、さすがウニクロ

お腹も膨れたし、買い物も出来たし、帰るか、テレサ1人だと金掛からんな、シルキー達も買ってもいいかも知れん

それは向こうに着いてから考えよう。