第47話

「はぁ〜〜〜」


朝から長いため息、憂鬱な気分だ、昨日の続きの検品作業、必要な工程だとはわかってはいるけど、全数検査とかどんだけアナログなんだよ、個数多くて単価が安いのはもう辞めだ


こんな検品があるなら次からは自分で持っていくよ、そのほうが千倍ましだ、ただ問題は距離、帝国まで1,000キロ、この距離が重くのし掛かる、


馬車であれば寝てても着くが時間が掛かる、しかもやることなくて退屈、スマホでゲームでもしていればすぐに着くのに


気を取り直して準備だ、ハルクは店の一階に泊めた、何も問題はないとは思うが、うちの大事な奴隷に手を出されたら堪らない、13歳とは言え、身体は俺よりも大きいからな


俺に対しては何もできないが、奴隷同士だと制限が掛けることできない、テレサ達には


「なんでハルクだけ違う部屋なの?」


と聞かれはしたが、まさか疑ってるとは言えず


「折角こんな立派な男を買うことができたんだ、これからは店の防犯の為だよ」


と、これでテレサ達も納得してくれた、1人分なら寝られるだけのスペースはある、2畳ってことは1.8メートル四方、真っ直ぐには寝られないけど、斜めになれば寝れる。


まずは朝飯だ、テレサ達が料理する間に向こうに居るハルクを呼びに行く


「起きろよ、今から朝飯食うぞ」


「はい」


寝起きはいいようですぐに着いてきた、今日は和食のようだ、お米と味噌汁と鮭、最高の組み合わせだ


「いただきます」


俺とテレサ達3人はご飯に手をつけたが、ハルクだけは待っていた


「早く食べろよ、今日も朝から商人ギルド行くんだから」


「いや、でも、奴隷とご主人が一緒に食べるのですか?」


「うちはいつもそうだが、テレサ おかしいのか?」

テレサ

「おかしいですね、最初は違和感ありましたけど、ご主人様が気になされなかったので慣れました。」


そんな風習誰からも聞いてない、めんどくさいだけだな


「まあとにかく、一緒に食べろ、時間の無駄だ、お前はオレの貴重な時間を奪うのか?」


「いえ そのようなことは  はい食べます」


やっと食べてくれた、好き嫌いをしてる子供に苦労して食べさせる親の気持ちだよ、幸いなことにうちの奴隷達は好き嫌いがない、俺が思っているだけなのか?


「お前たち嫌いな食べ物はあるか?」

テレサ

「特にないですね」

シルキー

「甘くないのは基本嫌いです」

フレイヤ

「石とか土とかは嫌い」


聞き方間違ったのか、食べることのできる物の中で嫌いな物って意味だったのだが、フレイヤはほんと斜め上をいくな、シルキーはほんとお菓子だけで暮らしていけそうだな


ハルクは答えない、頂いた物を好きとか嫌いで判断するのは間違っているとのことだ、まだまだ固いな、これでは杉山家の仲間入りはできないぞ


くだらないらやりとりはこれぐらいにして、さっさとファステルに向かう、その前に大事な話があった 


「もう肌着はしばらく売らないからお店もそこまで忙しくない、そこでみんな一緒に休むのはだめだが、交代で休みにする、週に2回は休ませる、お店も週に1回は休みだ」


「休みの日には何をすればいいのですか?」


「好きにしてかまわん、家でゲームしててもいいし、日本の街へショッピングに行ってもいいし、街へ行って食べ歩きもしてもいいぞ」


「え」


「そのための小遣いやろう、1人1週間で1万円だ、大事に使えよ、1万円は銀貨にすると1枚だ」

テレサ

「そんなにもらえません」

シルキー

「これで甘味三昧だぁー」

フレイヤ

「欲しいゲームソフトが買える」


ハルクはしばらくは休みなし、まだ殆ど実積ないからね


「今日も誰か休んでいいが誰か休むか?」


意外なことにテレサが名乗りをあげた 


「最近魔力水を作ることができるようになったので、そちらを作ってご主人様のポーションの材料にして頂きたいです」


真面目すぎるだろ、お嫁さんにするならこんな子がいいな、16歳じゃなかったらプロポーズしてるとこだ


「それはダメ、休みの日に働くの禁止、テレサ以外で居るか?」

シルキー

「じゃあ私ー、ネットに出てたパンケーキ食べに行きたい」


「よしっ今日の休みはシルキーで決定、1日好きに過ごしていいぞ」


と1万円渡す、後の奴隷はお店に行く、俺とハルクは商人ギルドに、、、、行きたくないなぁー


検品は昨日の続きからではあったが3時間掛かった、昼前には終わったが、1日まるまる仕事してるよりきつかった


家に帰って飯にするか、その後は行くところもあるし、気を取り直して午後からも頑張ろう。

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