第60話
今の私の急務は帝国との戦争の回避だ、戦争が始まれば物流が停止し、帝国との貿易に大打撃が生じる、貿易業務を管轄しているのは私と同じ副ギルド長のオゴダイだが、帝国からの輸入がストップすると私がファステルで扱う商品が売る物が減ってしまう、なんとか戦争を止めなければ
私が考えた作戦は帝国の商品を値上げさせて、帝国の人民を疲弊させて、戦争どころではなくなるようにすることだ、これを成功させる肝となる人物は私の旦那ナオトだ。
まずは旦那に帝国に支店を作ってもらって質の良い商品をたくさん売ってもらって商品の価値を上げてインフレを起こす、それが具体的なやり方だ、その為にも旦那を口説き落とさないといけない、その矢先に旦那から支店の打診があった、これはうまいこと乗せよう
「帝国に支店を出しましょう、私も着いて行きます」
なんとか向こうに支店をだすように仕向けられた、王都になんか支店を出されたとしたら下手したら王族と会ってしまって素性がばれてしまう、それだけは回避したい、行く途中で王都に寄るので監視はしておかないと、それは王都のギルドに頼むとしよう、私が頼めば断ることをしないだろう
「黒髪の20代の男の監視を頼む」
「かしこまりました」
(またただ働きかよ、ヒルダのケチめ)
私が頼めばみな従順に動いてくれる、カリスマ性があると言えよう
監視から報告があった、ナオト君が娼館に入って行ったらしい、私に手を出さないでそんなところに行くとは許せない、
王都で今回の作戦をしてる間に全く、、、問い詰めてやろう、翌朝とぼけて聞いてみると驚いていた、多分何もなかったであろうが、部下の報告は店に入るところまでだ、直接聞いても何もなかったようで安心した。
道中は帝国の予備知識を教えておいた、これから行く帝国について何も知らないとお店どころではないだろうし、私が教えた甲斐もあって帝都でのお店はすぐに決まった、後は私が残って物価を上げることをすればいい、ナオト君の店の管理は私が責任を持ってするとしよう
「おい 奴隷たちよ、今日の売上はいくらあった?」
ハンク
「はい、100,000ゴールドです」
「なら20,000ゴールドよこしなさい、お前たちの主人に代わって税金を払っておいてやる」
ハンク
「そんなに高いなんて聞いておりませんが」
「それはお前たちが物を知らないだけだ、私はご主人様から全権を任せられている」
ハンク
「はい、わかりました」
これでこちらの活動資金の目処が立った、これを元手に人を雇うとしよう、帝都の人間をどんどん王都に送り込む為の工作員を、特に物を作る職人をメインにしていこう、物が減れば価値が上がりインフレが起こる
(戦争が始まれば、作った物は全て押収されて財産も差し押さえになる、その前にフォーセリアに逃げ込んだ方がいい)
このような噂をバンバン流させた、活動資金はナオトのお金だが潤沢にあり、人手は惜しまなかった、合間には寄付してもらったナオトのグラスの販売もしていた、かなりの小遣い稼ぎにもなった、毎日ナオトの店に行き税金ピンハネを徴収し、帝都での生活を充実してからファステルに帰ることができた、またファステルではナオトを乗せて、うまく搾取してやろうと考えるヒルダだった。
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