第26話
「これはなんですか?」
「これはペンです」
「貴方は男ですか?」
「いいえ、私は女です」
変な日本語だが、空いた時間を利用して日本語を教えている、3人とも物覚えは良さそうなので、すぐに覚えてしまうだろう、フレイヤには算数も教えないと
俺が向こうの言葉を覚えるという選択肢もあったが、学生でもあるまいし、今から勉強なんてしてられるか、C国では勉強と書いて無理と言う意味らしい、わかる気がする
50音は既に習得済み、平仮名と片仮名もOK、後は単語と文章だけだな、インターネットを使って自習もしている、日本語って日本人しか使わないからこの労力ってもったいないかもな、どうせなら英語覚えてもいいが、しばらく行く予定もないし、この子達のパスポートも用意出来ない。
俺が英語わからないから教えることができないのが理由ではない
「さあ勉強はこれぐらいにして寝るぞ」
「ご主人様、裏の山は誰の持ち物ですか?」
「多分うちの物だと思うけどどうした?」
「実は裏の山に薬草が生えてまして」
ばあちゃんのポーションの材料の薬草ってここで取ってたのか、いつも俺が見ている薬草は萎れていて原型留めてないから、生えてるのがどんなものなのか全く知らない。
「どれぐらいの量取れる?」
「おそらくですがファステルに生えているよりはたくさんありますよ、最近誰も採取してないようですから」
こっちで薬草なんて取れたとしても魔力水がないから、なんの意味もない、ポーションは薬草に魔力水の魔素を足して初めてポーションとして生まれる
ただ薬草に直接魔力を注ぐと安定せず、効果が不明なポーションが生まれるらしい、理屈を聞いてもよくわからん
「どのぐらいの時間で採取できる?」
すぐに取れるなら採取してから寝ればいい
「2時間ほど頂ければ」
「なら明日にしよう、今日はもう寝ろ」
「はい」
次の日のお店を終え、今日は薬草の採取だ
「ヨモギやアロエも取っていいですか?これは上薬草と最高薬草になり、上級ポーションやエリクサーの材料になりますので」
「それって普通のポーションとどう違うの?」
「上級ポーションは手や足が生えてきます、エリクサーは怪我だけでなく、病気も治すこともできますよ」
すげー、医療免許ないから治療はできないけど、サイババも驚きの効果、末期医療施設いらないぐらいのチート
「ただ問題となるのが魔力水の方でして、いつものポーションを作る魔力水では作ることができません」
その魔力水は王都の治療院の専任治療師しか作れないらしい、今在籍している治療師は3名のみで戦争の影響で民間の依頼には応えてくれないらしい。
しばらく保留だな、普通の薬草だけ採取してもらおう、期待した分失望も大きいな、それでも薬草だけでも無料で採取できればそれに越したことはない。
取り敢えず100束ほど採取させておいた、枯らすにはもったいないからね、ヨモギは、、、どうしよう10束だけ取っておこう、アロエは放っておいても枯れないからそのままで
(女性の方が服に掛けるお金は凄いね)
男性の方が汗をかく仕事が多く、肌着もたくさん売れると思ったが、清潔感に関する概念は女性が上だ
3倍ほど多く売れる、用意した物がまさか2日で完売してしまうとは凄いな、原価率22%なんて飲食店並みだ、尚且つ綿は腐らない、スペースの問題は勿論あるがこちらは置いておけば直ぐに売れてしまう。
こんだけ順調に売上が確保できるなら、2号店を作って貴族街に高級品を売るのも良いかもな
ヒルダさんに相談しに行くか
「いらっしゃいませ」
「あっお帰りなさいませ、ご主人様」
言い直さなくていいよ、うちの奴隷達に教えてもらった挨拶らしい、ヒルダさんが使うと気持ち悪い、だって胸張って偉そうに言うんだよ?どこのメイドが上から目線なんだよ
ツンデレでももう少しかわいいぞ、まぁいいや
「実は商売繁盛な為拡張を考えてまして、2号店を貴族街に出したいのですが」
「そんなことしたら貴方の存在が貴族にばれてしまうじゃないですか」
「それってダメなんですか?」
「あんな出鱈目な商品を売っていたら出所調べられて軟禁されますがそれでもいいですか?」
「それはまずいですね」
仕入れる資金はもう困ってないから後はこっちで稼ぎたい
「もっと事業規模を拡大する方法がありますか?」
「他国で事業起こすと言うのはどうでしょうか」
遠いじゃん、移動が面倒だよ。
「他国で商売している間こちらはどうするのですか?」
「何の為の奴隷ですか、あの子達に任せればいいんですよ、ギルドも全面的にバックアップしますから」
「1日考えさせてください。」
「いい返事をお待ちしております。」
この提案を持ち帰ってテレサ達と相談する、心配だよなぁ
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