第25話
「ご主人様お願いがあります」
何日か過ぎた頃テレサからお願いをされた
「なんだ、辛いことでもあったのか?セクハラなんてしてないと思っているが、俺と一緒に過ごすことが嫌なのか?」
最近は仕事がなくて毎日ファステルに入り浸っている、たまに居るなら良いが毎日一緒に過ごすと嫌な点も見えてくるのかもしれない
「いえ、そんなことではないです、お店で売っている肌着ですが男性用しか置いてないので、女性用も欲しいです」
「そんな要望があったのか?」
「あることはありますが、実は私たちが、、、、」
なるほどね、肌触りは普通の布よりいいもんね、吸湿性もよくて汗も吸い取れるし、長時間着てても蒸れないし
でも男の俺が買うのは無理だよ、変な趣味持ってるように思われるし、よし1人連れていくか、前回はテレサだったから
「シルキー 買い物に行くぞ、テレサとフレイヤはお留守番な、フレイヤは次回行こう」
シルキーだけ連れ出し、例のショッピングモールに連れて行った、最近祖母の家で生活するようになってテレビやインターネットに慣れてきたのか、何を見ても驚かない
最初の頃は「これ なに?」攻撃が凄まじかったから、先にインターネットでググレカスを教えた
まさか3日で使いこなすなんてね、若い子の吸収力にはびっくりだよ、俺もまだ20代だけどね
もうそろそろこちらの連絡用にスマホ用意してもいいかも知れんな、あっダメだ、補聴器が足りない、あれもどっかで予備買えないかな、便利だけど依存しまくり
テレサたちがインターネットしたり、テレビ見たりするのに補聴器がないと全く言葉がわからない、いっそのこと日本語教えるか、でも1年後にはお別れだし
家電量販店に異世界言語用のパソコンや、異世界言語対応ポケ○ークないかな、あるわけないよなー
今日は買い物だけ済ませて向こうで補聴器探すか、ヒルダに頼るのも嫌だし、親方に聞いてみよう
「着いたぞ、3人分まず買ってこい、そしたら売る用にも買ってもらうからな、全部○オンで済ませちゃお」
散々CMで流れてるので存在は知っているようだ
「今日はポイント還元デーではないのですが宜しいのですか?」
テレサのケチケチ病が感染してるな、倹約症候群でもいいが
「気にしなくてもいい、格好は安っぽいがお金はあるから」
ダイヤの売上がでかい、1億は余剰資金がある、お店の在庫全部買い占めることも可能だ、問題は税金だな
ダイヤの仕入れ先を申告材料に入れないと確実に脱税で捕まる、商社の知恵を生かし、モナコで売るか、でもあそこに住んでないと免税はされないし、、、、
税務署で何か言ってくる前までになんとかすればいいか、いざとなれば逃げ込もう、ファステルにね
カートを押しながら歩いていると、シルキーはポンポンとカゴに入れていく、見ていると目的の肌着だけでなく、服まで入ってる
お金あるなんて言っちゃったから言ってないものまで、ここら辺はテレサと違うところだな、まあ欲しいなら構わないさ
カゴ2つ分目一杯買って周りを見渡し、見えないところでマジックバッグに全て放り込む、次は食事かな
「何か食べたい物あるか?」
「クレープとパンケーキが食べたいです。」
両方ともスイーツじゃん、俺が聞いたの昼飯としてなんだが、
「わかった、この中にあるか知らないけど」
「2階のフードコートでクレープ、1階でパンケーキ食べることできますよ。」
下調べ済み、インターネット凄いな、前から来たかったんだろうな、
「今日来ること知らなかっただろ?なんで調べてたんだ?」
「以前にテレサがここに来たこと言ってましたし、この辺りここしか買い物できるところありませんから」
確かにその通り、ここら辺はホームセンターとショッピングモールしかないからな、コンビニはあるけど、態々連れて行くこともないからな
「場所がわかってるなら先に行っていいぞ」
「はい」
日本語は読めないので写真を見て俺が注文する、クレープを食べ歩きながら、パンケーキ屋さんで、見てるだけで胃がもたれる。
「どうだ、美味しいか」
「美味しいですけど、テレビに出てる人たちよりはうまく表現できません」
「あいつらはあれが仕事だ」
「そんな仕事あるのですか?食べてるだけで稼げるなら私もしたいです。」
思ってるほど簡単ではない、おいしくもない物を美味しそうに、同じコメントにならないように工夫して、俺なら嫌だけど、楽そうに見えるのだろうな
食べてる物を美味しそうに見せて来店を促す、それに伴って車を使えば燃料代、電車を使えば運賃、人は目的地だけに行って帰ることはしない、道中服があれば買ったりする
そうして経済は回っていくのだけど、説明しても無理だろ
「いつかできるといいな」
差し障りがない感じで答えておく。
「テレサ達にも食べさせてあげたかったです、2人共来たかったようですから」
「テレサはいいがフレイヤはまずいだろ、あの耳が」
「そう言われると思ってパーカー買ってきました、尻尾はスカートで隠せばいいです」
自分の物ばかり買ってると思ったらちゃんと仲間のことも考えていたのか、ただの浪費家だと思っていたが
「そうか、シルキーは偉いな、今度は4人で来ような」
満足そうに食べてる顔を見ているとこちらまでお腹いっぱいになってしまうな。
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