第108話
「スージー、ハンク、デリア、ジェシー、今度はサーティスで働いてもらうことにするよ」
「はい、畏まりました。」
「家も店も用意してあるけど、店の中はまだ空っぽだ、まずは服だけを売る予定だよ、帝都の時と同じように売ってくれればいいよ」
ハンク
「慣れた仕事なので問題ないです」
「うん、また取り纏めはハンクに頼むな、運送はまたハルクに頼むから何かあれば言っておいてくれ、帝都に比べれば半分の距離だからすぐに駆け付ける」
奴隷達をヘリに乗せサーティスに飛ぶが、乗る前にかなり躊躇していた、空を飛ぶのは怖いのだろう、慣れてきたら落ち着き空から景色を見る余裕まで出ていた
サーティスに着きヘリから下ろすと名残惜しそうにしていた、さすがにそう頻繁に乗る機会が訪れないことはわかっているのだろう、頑張って働けば売ってやれないことはないが金貨600枚はもらうつもりだ
まずは下宿屋に向かう、下宿を経営してるのはシングルマザーのアマリエさんだ、既に4人1年分前払いしてあるのでご機嫌だ
「これからはこの4人をお願いします、スージー、ハンク、デリア、ジェシーです」
「ああ宜しくね、面倒なこと起こしたらいくら先払いでもらっていたとしても追い出すからそれだけは宜しくな、何か問題があったらその都度言ってくれたらなるべく対処するからね」
はっきりと言うおばさんだ、この世界ってほんとテレサみたいな大人しい女の人って貴重だな
下宿先を教えたら次は店舗まで案内する、ただ店舗は目下改装中の為中には入ることが出来ず場所を教えるのみとなった
「改装終わったら商品を運び込んでもらうからそれまでは自由に行動してくれてもいい、飯は下宿で出るから何か他に必要な物があれば用意するが」
「いえ大丈夫です、いつぐらいにお店はできるのでしょうか」
「1週間ぐらいだな、それまで退屈だよな、トランプでも渡しておくから使い方を覚えておいてくれ、これも商品にする予定だからお客さんに説明するように」
と2セットハンクに渡しておいた、ついでにテレサ製よ説明書も一緒に
これで後は商品の準備に行けるな、サーティスを後にして日本に戻る、服を大量に用意するといったらあそこしかない
また嫌がられながら古着を50,000着購入してきた、今回は5店舗のみだから許して欲しい、ちょっと離れたところまでそろそろ買いに行くことも考える時期かもしれない
それと今回は他に寄る予定のお店もあるので行ってみよう
「すみません、金のインゴット150キロ欲しいのですが」
寄ったのは金の販売をしている貴金属店、ここなら現物のインゴットが買える
「その量だと10億円ほどになりますが、カードはご利用頂けませんが」
当たり前のことを言われる、多分馬鹿にされているのだろう、バッグから10億円取り出して目の前に並べる
「数えて頂いてもいいですけど、インゴットの現物150キロありますか?」
「用意するのに3日ほどいただきますがどうでしょうか」
「はい、それで構いませんよできればと1キロずつで欲しいです、現金は置いていきますので預かり証だけください」
3日後の来店の約束だけしてお店を離れた、次に来るときは代車とハルクを用意しておかなければ流石に150キロをバッグ一つで持って帰るわけにも行くまい
異世界に行き来するようになって数ヶ月だが最近になってやっと気がついたことがある、フォーセリアでも帝国でも金貨の価値が高過ぎる、せいぜい30gほどの金貨が100万円の価値があるのだ
こちらだと30グラムなら22万円ほどだ、鋳造手数料で少し上乗せしたとしても100万円は高すぎる、それでも偽造する者が現れないということは金の価値自体が地球よりも高いのだろう
なのでこちらで金を買って異世界に持ち込めば倍ぐらいの価値にはなるだろう、もうこちらの通貨としては数百億円あるが、異世界の通貨は数億円しかない、向こうで不動産とか買うとなるとちょっと予算的に厳しくなるので両替で稼ぐことにした
10億円使って向こうの通貨で金貨2,000枚にもなれば向こうでお金で苦労することはまずない、まだ気を付けなければいけないのがヒルダの存在だ、金貨2,000枚持ってるなんて知られたらまた王都での豪邸を建てろと要求される
なんとか国王と直接やり取りをするようにしよう、国王ならうちの親戚だし、悪いようにはしないだろう。
折角日本に来たのだから税理士さんにでも会っておこう、弁護士さんは特に法人化の手続きが終わるまでは会っても話すことないからな、ただ高島さんってお小言しか言われないイメージで本音で言えば会いたくはないのだが
会う前の不安は的中した、今回もざる経営でかなり叱られた、経費の領収書がかなり抜けていたらしく、計算がかなり合わなかったらしい、会社組織にしたら経理専門職を雇うように言われてしまった。
祖母の家の倉庫が異世界に通じているので異世界間貿易を行うことにしました。 劉季邦 @yantaigan
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