第102話

船橋さん親子、米村さん、鷲見さん、牛木さんがハワイから戻ると、今度はテレサとシルキーとフレイヤにハワイへと行かせた、俺はもう前の時で堪能したのでテレサに翻訳補聴器を渡して1週間は日本で行動だ、言葉が通じないと異世界で全く行動ができない


この1週間で俺がやるのは会社組織の設立、今まで個人経営として申告していたが、そろそろ店舗も増やしていこうかと思うので法人登録にしようと思っている


ネットで調べて法人化の弁護士を訪問する、一対一の相談の為相性の問題が1番だ、偉そうな奴には絶対に相談したくない、まず1軒目に訪れたのは増山法律事務所だ、最初に出た事務員さんがかなり感じが良かったので会ってみることにした


「初めまして増山法律事務所の増山です、今回は会社組織設立のご相談とお伺いしました」


「初めまして杉山です、現在2店舗経営してますが店舗を増やすことを考えてまして、それならいっそのこと法人化してしまおうかと」


現れたのは40代のすらっとした男性だ


「若いのに随分と優秀でいらっしゃる、まだ24歳とお伺いしました、法人化に向けて何点かお伺いしても宜しいですか?」


「はい、構いませんよ」


「どのようなお店をしてらっしゃるのでしょうか」


「とんかつ屋とマッサージ店です、どちらの業種も好調で店舗を増やしていきたいですが、問題は人材だけですね」


「経営者の皆さんは皆さん同じ悩みをもってらっしゃるようですね、法人登録名はどうされます?」


ファステルがメイン拠点だがそちらも支店を何店舗か増やす予定だし


「フォーセリアで登録したいです」


「かしこまりました、どうされます?もう依頼されますか?経費は全て合わせて30万円ほど掛かりますが」


「そうですね、他の事務所は行かなくても良さそうなので依頼します、お金は今お支払いでいいですか?」


「いえ、内金で10,000円いただければ契約したという証になりますから大丈夫です」


後は別途の費用と報酬を請求されるらしい、次は税務関係をなんとかしないとだな


「増山さんの知人の方で税理士の方っていらっしゃいます?なるべくリーズナブルで受けてくれる方が良いのですが」


「何人かおりますが、その条件ですと1人紹介できる者が居ますね、連絡先はこちらです、いつ連絡取りますか?」


「今日この後連絡して、早めにアポを取りたいです、中々時間がなくて1週間の間になるべく進めておきたいので」


「それではすぐに連絡しておきますね、新規の依頼者なら喜ぶと思います、名前は高島税理士事務所です」


「ありがとうございます、すぐに連絡します」


「それでしたら私が連絡してついでにアポも取りましょう、その方が早いですし」


こちらの意図を理解してもらったようで良かった


「お願いします、今日が最適ですが、無理なら数日中に」


「もしもし 高島さんですか?新規のお客様を紹介したいのですが先方様はなるべく早くのご希望で今日は空いてますか?   はい、わかりました伝えておきます」


「はい本日大丈夫なようです、まだ始めたばかりでそう依頼人も多くはないようですから」


新米の税理士で大丈夫なんだろうか、心配そうな顔を見せると


「そんな顔されなくても問題ないですよ、他の事務所での実務経験を積んでおりますし、現役で資格を取った才女ですから」


「女性なんですね?」


「女性だと依頼しづらいですか?」


「いえうちのスタッフも女性が多いですが、気が強い人が多くていつもやりこまれてるので」


「ははは、そういった方も近頃は多いですね、ただ高島先生は依頼人のことを第一に考え、勤務時間外でも緊急の用件なら対応してくれる方ですよ」


「それブラックじゃないですか」


「自分で好きでやってるぐらいですから問題ないですよ」


「それでは一度お会いしてみることにします、アポは何時ですか?」


「ご希望でしたらそのまま来てくださいとのことです、二駅先ですから30分もあれば着くと思いますよ」


「ありがとうございます、寄ってみますね」


言われた場所に行くと20分ほどで高島税理士事務所はすぐに見つかった、インターホンを押すと


「杉山さんですね、お待ちしておりました」


こちらが名前を名乗る前に言われた、余程お客さんが居ないのだろうな


すぐに入り口に20代後半の150センチそこそこの女性が現れた、パッと見堂山さんのような印象だ


「いきなりのお約束で申し訳ございません、本日は宜しくお願いします。」


「多少の事情は増山先生より聞いてますが今までの税金はどうされてました?」


「設立が半年ほど前なのでまだ一度も払ってません、経費の計算と給料の計算しかしてなくて、全て現金主義です」


「売上の控えはないのですか?」


「マッサージ店のほうは歩合があるのでカウントだけですね、レシートはお客さんには渡してますが控えはないですね」


「随分と勇気のある経営方法ですね、改善の余地がたくさんありそうです」


「零細商店なので余り気にしては居なかったのですが、繁盛してますので店舗を拡大しようかと」


「月商はどれぐらいですか?」


「マッサージ店は6人居て1人1日15人は接客してますが、シフトの関係で毎日4人体制なので客単価が4,000円で700万円ぐらいです」


「どこが零細ですか、経費にしたって人件費と固定費だけでしょ、飲食店の方はどうですか?」


「平均150食で1,600円ですから月に20日営業するとして480万円ですね、こっちは食材にお金掛けてますからそこまで利益はないですよ」


「そっちも零細ではないですね、2つ合わせると年商1億越えますよね、それで一切の税金対策してないなんてあり得ないですよ」


「高島さんに一任しますのでよろしくお願いします」


俺と接点のある女性って言いたいことははっきり言う人が多い、こっちも遠慮しなくていいが、傷つくことも多い、この程度ならヒルダで耐性ができているので全然大丈夫だ

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