第95話
「ナオト君って今までこんな美味しい物食べていたんですね」
パンケーキを食べてのヒルダの感想
テレサ
「ナオト様からいただける物はなんでも美味しいです」
そんな盲目的な感想でなくて本音でいいのに
「俺は甘い物はそんなに得意じゃないから余り食べないよ、うちのシルキーが詳しいよ」
「この白いフワフワしてて甘いのがとても美味しいです」
生クリームのことね
「このドロってしているのは少しくどいですけど」
メイプルシロップのことね、確かに生クリームにシロップは甘ったるい
「それは果物と一緒に食べるといいよ、そしたら果物の酸味で緩和されるから」
テレサは表情変えずに食べている、美味しくないのかな、本音では、その分ヒルダは表情をコロコロと変え言いたいことは全部言う
「なるほど、上級者はそのようにして食べるのですね」
いや俺はコーヒーしか飲んでないよ、とてもじゃないけどそのボリューミーなパンケーキを食べる勇気はないよ
「このプチプチとした透明な玉はなんですか?味がないですが」
タピオカのことだろうけど、確かに食感だけで味がないタピオカがこんだけ流行る理由はわからない
「タピオカって名前の確か芋の種類だったかな」
「お芋なのに食感が軽いですね、でもなんか好きではないですね」
じゃがいも、サツマイモに比べたらそうだろうな、向こうにも両方ある、俺は逆にがっつりとした芋は嫌いだ、じゃがいもってなんか戦時中のイメージだ、生野菜はウサギが食うイメージだ 肉は好きだからライオンのイメージとは思わない、思っても言わない
「食べきれなかったら残してもいいですよ、かなり量が多いですから」
テレサの手が止まった
テレサ
「それでは私はもう止めておきます、もう苦しいです」
どうも無理して食べていたようだ、そんな苦しむまで食べる物でもないだろうに
「一度手に入れた物を手放すなんて私の主義に反します、残さず食べますよ」
ヒルダの強欲スイッチが入ったようだ、無理して食べて苦しくなったらそっちのほうが非効率なのに
お会計時は日本では馴染みのないチップ(サービス料)の項目があり、5%、10%、15%と選ぶようになっていたが、こちらが日本人だと見ると何も言わなくても15%に丸が付いていた、日本人がみんな気前がいいと思うなよと思ったがたかだか30ドルぐらいの物で怒っても仕方ないのでそのまま払った
次はヒルダのリクエストのあった服だ、異世界人であるヒルダにはブランドなんてわからないだろう、ハワイ最大の複合商業施設に連れて行った
「それでは現金渡しておきますから好きな物買ってください、連絡用にテレサの携帯渡しておきますから、使い方はこれをこうしてこうやって」
「私にそれを渡したらテレサが困りませんか?」
「大丈夫ですよ、テレサは俺と一緒に居ますから」
「それって、、、、私だけ隔離しようとしてます?」
「違いますよ、1人の方がゆっくりと選べるでしょ?俺達はフードコートで待ってるだけですから」
もちろんテレサと買い物するつもりだ、ずっと待ってるなんて退屈だしつまらない
「わかりました、行ってきます、終わったらご連絡します」
ヒルダと別れると
「じゃあテレサどこから周る?」
テレサ
「フードコートで待つのでは?」
「そんな退屈なことしないよ、ヒルダには2,000ドル渡してあるから多分使い切るまで連絡ないよ」
テレサ
「ナオト様が行かれる処に付いていきます」
そう言われても特に見たい物とかない、欲しい物があれば大体ネットで買うし、インテリアとかはその場でいいなって思って衝動買いすると後でまとめて見ると統一感がなくなってアンバランスになるし
(そうだ、折角だからあれをやろう)
「併設されているデパートに行こう、そして香水と化粧品を買いに行こう」
「前から興味あったんです、ただ向こうでは誰もしないので違和感しかないだろうなって」
「今回は1週間はこっちに居る予定だからした方が違和感ないよ」
店員さんにしてもらった化粧はテレサの可愛さを際立たせた、ナチュラルメイクだ、肌の色が白いので口紅も映える、香水は柑橘系でこの暑い地域でも爽やかさを感じさせてくれた
この匂いを嗅ぐと思わず抱きつきたくなる、ここはハワイで知り合いもいないと、テレサの腰に手を置きモール内を歩いていた、日本では絶対にできない行為だ
モール内をゆっくりと見て回るとヒルダから連絡があり待ち合わせ場所であるフードコートに行くとテレサの化粧と香水に気づき、また買いに行く羽目になった、店員さんからは変な目で見られたが特に気にしないでおこう
海に出掛けたい処だがすっかりと日が暮れてしまった為にまた後日に行くことにした、海のアクティビティも充実しているので海中散歩とかダイビングもしてみたいところだ
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