第11話

他の商品の価値はどうなのだろう、鏡はかなり期待しているがどうだろうか


「まずはおばあ様が売ってた商品と売価をご案内します、おばあ様がお店をしていた時はこちらも何度かお伺いしましたので、売価は把握しております、おばあ様はしっかりと相場で売ってました。」


物の価値がわかっていない俺にイヤミを言うなんてやっぱりこいつのことは好きになれない、惚れるわけがない教えてもらった売価はこうだ


ポーション : 銅貨15枚


缶ビール : 銅貨5枚


炭1キロ : 銅貨35枚


ツマミ :銅貨2枚


後は服も売っていたらしい、祖母は裁縫も得意だった。こちらに革と麻しかないのなら綿製品を用意するのはかなり効果的だろう、


貴族なら絹は使ってる可能性があるかも知れないが、なかったら売り込もう。


「後は新しい商品として、グラスと鏡ですね。鏡は小さい方は銀貨1枚、大きい方は銀貨2枚でどうでしょうか、グラスは売るのを少し待ってください、ギルドが大量に買い取った為相場が崩れそうなので」


「相場がわからないからヒルダさんに任せるよ、後これがあったらいい、若しくはないと困る物はあるかな?用意できるのであればしたいのだか」


「釣り銭と値札ぐらいでしょう、金貨を持ってくる人はいませんから銅貨が数十枚あれば足りると思います、値札は木の札で作りますが、商人ギルドでも用意できますよ、1枚銅貨1枚、10枚セットで9枚ですね」


値札で1枚100円って高くない?だって値段書いてあるだけで


「それはこちらで用意するからいいよ」


「なら10枚で銅貨5枚ならどうです?サービスしますよ。」


いきなりの5割引なんて怪しい点しかない

(後で聞いたら本来無料提供、ヒルダの懐に入ってた)


そこまで粘られたら頼んでもいいか、お願いすることにした


「後はポーション作りを行いましょう、材料はこちらで手配してありますので、さくっと作っちゃいましょう。」


ヒルダに作り方を教わりながら、1000個ほど作った、その後に妙に身体がだるい、そんなに疲れることした覚えがない。


慣れないことをしたための拒否反応かな


「毎日1000個がノルマですからね、商品がない店になんて誰も用がないですからね、材料はこちらで用意しますし、材料費も後精算でいいです、そこまで高い物じゃないですが、おばあ様のポーションなら絶対に売れますからね」


指輪の効果への信頼度が絶大だ、ばあちゃんはどこで入手したのだろう、今更ながら生前にもっと寄れば良かった。


開店は急遽明日に決まった、俺がそこまで休みが取れない、本来明日は出勤日だが、仕事の取引先と会うと嘘を付いた


1日ぐらい休みを増やしても問題ないだろう、本業以上にこちらで稼げば俺としては不満はない。


その前にこっちを見て回るとするか、"こんびに"と商人ギルド以外立ち寄っていないからな、こっちの宿屋に泊まるのもいいし異世界の食べ物にも興味がある。


今から通貨もあるし多少の散財は問題ないだろう、焼肉ミックの美味しそうな匂いも気になってたんだよな、帰り道にあることだし寄ってみよう。


時計を見ると、10時間時差があって、、午後2時だ、ランチタイムは終わっているが営業してるかな


通りかかると店内には数人がたむろしていた、飯を食うと言うよりか時間をつぶしてるかのようでおしゃべりに夢中のようだ、入り口でまだ食べられるか、聞いてみたら、不思議そうな顔をされた。


こっちでは昼飯時、夜には客が集中はするが、日本の定食屋のように途中でお店を一旦閉店するって文化がないらしい、その代わりランチタイムサービスもないらしい、いつでも


同じメニューを同じく価格で提供しているようだ、時間によって得とか損とか生まないのはある意味公平だ


俺は日本でもランチ専用の店と夜専用の店と分けて行く、サービス内容が同じで昼と夜価格が違うのがなんとももったいなく感じる、基準は安い方になってしまっている


店内に入ると細かいメニューはなく、飯は上中下飲み物はエールとお茶となんの果物かわからないがジュースのみだ


初めて行く店では1番良いものを食べることを心掛けている上とエールを頼んだ、昼間からお酒を飲む習慣はないが、自分の店でビールを売る以上こちらのお酒を飲んで違いを把握しておかないといけない。


言い訳じみているが5分もすると運ばれてきたが、上は肉とサラダとパン肉は牛肉に近い味だが脂が乗っており、でも歯応えがあった、サラダは全体的に緑色をしているものが数種類混ざっており普通の感じだが、全体的に薄い、ドレッシングではなく塩のみの味付けだ、パンはもちもちしてて美味しかった。


肉をエールで流し込むとエールの生暖かさが肉の旨味を消し組み合わせのまずさを知った、エールだけで飲むと苦味だけ口の中に残り、喉越しがかなり悪かった。


これならうちのビールの方が何倍も上手い、ただ冷やす文化がないので普段キンキンに冷やしたビールを温くして飲んだら果たして美味しいかどうかは検証しなくてはならないだろう。


価格は全部で銅貨25枚、いつもはランチは千円以内と決めている身としては贅沢なランチとなった。


お腹いっぱいになったし、明日の開店の準備のためにお店に商品を陳列していった。

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