ちょっとウチの家族とかが意味わかんない件について～異世界ってなんか思ってたのと違うんだけど～

「第30回スニーカー大賞」用　あらすじ

　どこにでもある地方の小さな町。

　そんな田舎に彩乃は東京から転校してきた。両親の離婚により母方の実家で生活することになるが、そこは中学校の登下校に熊よけの鈴が必要だと言われるほどの自然が広がっている。もともと小学生時代に不登校を経験していた彼女には、ゴールデン・ウィーク明けの学校というのはやはり精神的に厳しいものがあった。彼女はなんとか理由をつけて早退することに成功する。物語はそんな帰り道から始まる。

　彩乃の母は少し変わった人であった。実年齢よりも若く見える娘としても自慢の美しい人なのだが、口調が普通ではない。『解せぬ』とか『ご武運を』なんて平気で使うのである。物心ついたときから振らされてきた木剣も、学校で友だちから知らされるまで、そんなこと…続きを読む