崖の上の喪女（第9回カクヨムWeb小説コンテストに応募しています）

地味で冴えない農業職員が、異世界で美女に転生！
素敵なダンナ様と共に大活躍……という、陰キャ女子のワタクシとしては夢のようなストーリーです。しかし単なるお気楽なファンタジーとは全く違います。
恐らく作者の経験と知識に裏打ちされた農業の知識がふんだんに詰め込まれ、「へええ、そうなんだ！！」と瞠目させられる事も多く、それを巡る駆け引きにハラハラドキドキさせられます。大人にこそ読んで欲しい、とても読み応えある作品となっています。
農を制する者は世界を制する！
恐らく農業は国家の命運を左右してきたものであるはずなのに、これまでファンタジー分野で疎かにされてきた事に、改めて気付かされます。
新しい視点…続きを読む

【あらすじ（小説概要より抜粋）】
　加藤香利は、某地方国立大学農学部卒業の県職員である。大学では果樹園芸を専攻し、現在では農業改良普及員として農作物普及活動に従事していた。
　彼女の学生時代は、暗く冴えない。年齢＝彼氏いない歴である。極端なド近眼で分厚い眼鏡を掛けているせいで、無表情な仮面のような印象を与える。現代社会の喪女は、異世界で「嫁入りからのセカンドライフ」を満喫できるのであろうか？


【感想】
深い農業の知識とそれに関する多方面の知識。それらが物語に絡んで独特のスパイスとなっています。端的に言うと、とても面白いです。生物学的なファクターもあるのでＳＦ系が好きな方にもおススメです。…続きを読む

主人公のカトリーナはもともとは現代日本の農業改良普及員。
その知識を持ったままですが、自然相手なので農業生産爆上がりでウハウハとなったりはしません。
それでも地道に取り組み痩せた土地で収穫を増やそうと大奮闘。
周囲の人々を巻き込んで少しずつ成果をあげていきます。

この周囲の人々が個性的で面白い。
特に通常なら職名に基づく役割しかない王様とか、ライバルの父親である商会長が、その地位にあるに相応しい強かさを見せます。

レビュー投稿時点で、新たなトラブル発生中。
小国の細腕（じゃないけど）再生は果たしてうまくいくのか？

ハートフルな作風でおなじみの作者が、初めて挑む長編＆異世界ファンタジー
豪快にこの世界を旅立った喪女が昔の欧州に転生しますが、美少女になるというギフトがあったとはいえとんでもないスキルをもって無双するとかや現代日本の知識でチート状態になるとかではなく、自身の持ったものだけでしっかりと生き抜いていきます。
登場する食事が美味しそうで、そこも魅力です。

プロレス好き。農業に打ち込む毎日。特に彼氏もいないので、人は彼女を喪女と言い――。
そんな彼女が中世ヨーロッパのような世界に転生したら、しかも貴族令嬢の美女となっていました。
……というお話で、ここから華やかな宮廷恋愛物語と思いきや、農業のお話です。
しかも面白い奴です。
「それは一体？」と思われる手段で――実は現代の農業の知識や技術に裏打ちされた技術で、数々の苦難や危機を乗り越えていくところが爽快で面白いです。
また、素敵な王子様と……というラブロマンスもあり、読者を飽きさせません。
今、カクヨムコン終盤にあたり、物語も佳境に入りつつあります。
現在進行形の彼女の活躍を読むのなら、今がチャ…続きを読む