概要
それはいつか必ず訪れる終末の地獄
一冊の本を巡る奇々怪々な体験。読まなくてはならない。知らなければならない。だが読み終えた者の末路は一つだ。
曰くその本を読破した者は自殺する。
不良大学生高戸和也は鬱屈とした日を過ごしていた。幼馴染の有馬鉄平が自殺する直前に読んでいた「月光」という本。アイツが自殺なんてするわけがない。もしかしたらこの本に何か秘密が隠されているのではないか。そう思いつつも不思議と読む気が起きない。
そんな折近彼の大学に近頃出没している美少女、久留主佳蘭と出会う。高戸は佳蘭と共に月光を読み始め、二人は怪異に囚われた。
富永弥という男の悔恨録の結末を、この世でただ一人、高戸和也だけが見ることが出来た。それは魔女である久留主佳蘭の想定を遥かに上回る恐怖。なぜ幼馴染の鉄平が「月光」を手にしたのか。その謎の果て
曰くその本を読破した者は自殺する。
不良大学生高戸和也は鬱屈とした日を過ごしていた。幼馴染の有馬鉄平が自殺する直前に読んでいた「月光」という本。アイツが自殺なんてするわけがない。もしかしたらこの本に何か秘密が隠されているのではないか。そう思いつつも不思議と読む気が起きない。
そんな折近彼の大学に近頃出没している美少女、久留主佳蘭と出会う。高戸は佳蘭と共に月光を読み始め、二人は怪異に囚われた。
富永弥という男の悔恨録の結末を、この世でただ一人、高戸和也だけが見ることが出来た。それは魔女である久留主佳蘭の想定を遥かに上回る恐怖。なぜ幼馴染の鉄平が「月光」を手にしたのか。その謎の果て
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!静かに怖い
主人公・高戸和也の一人称視点で、丁寧な文体で語られる本作。
高戸は自称するクズであるが、自身を客観視しており、どこか達観した印象を持つ。それでいて、煙草や麻雀、読書や大学の講義など、自身の嗜好について自分や他人を嘲笑しながら語るため、そこに人間味を感じ、嫌いになれない性格を持つ。
特に『Moon Light』編での幼馴染・鉄平の死に対する何気ない仕草や彼との思い出が、高戸の人情深さを物語っており、人間臭いところが非常にリアリティを生んでいる。
そんな高戸の前に現れた久留主佳蘭(くるすからん)。鉄平の形見である書籍『月光』をきっかけに接触したことで、『月光』の謎に迫ることとなる。
『Moon…続きを読む - ★★★ Excellent!!!親友の遺した一冊の本。そこに隠された懺悔と恐怖
全15話完結済みのホラー短編です。コワイ!
大学生の高戸和也にいきなり声を掛けたのは、噂の美少女女子大生、金髪碧眼の来栖佳蘭。
和也の親友の自殺の原因がその本にあると言う彼女は自らを魔女と名乗り、怪異の謎を解き明かすためにふたりは「月光」というその本を読むことに……。というお話です。
特筆すべきは「見え過ぎてしまう」佳蘭に変わって本を読んだ和也が、月光という本の内容に引き込まれるシーン。
その物語に引き込まれた和也を佳蘭が引き戻すのを見て、読者たる自分も現実に引き戻される感覚を味わった時は、作者にまんまとしてやられた気分になりました。
一応ネタバレ無しのレビューにしたい…続きを読む