親友の遺した一冊の本。そこに隠された懺悔と恐怖

 全15話完結済みのホラー短編です。コワイ!

 大学生の高戸和也にいきなり声を掛けたのは、噂の美少女女子大生、金髪碧眼の来栖佳蘭。

 和也の親友の自殺の原因がその本にあると言う彼女は自らを魔女と名乗り、怪異の謎を解き明かすためにふたりは「月光」というその本を読むことに……。というお話です。


 特筆すべきは「見え過ぎてしまう」佳蘭に変わって本を読んだ和也が、月光という本の内容に引き込まれるシーン。
 その物語に引き込まれた和也を佳蘭が引き戻すのを見て、読者たる自分も現実に引き戻される感覚を味わった時は、作者にまんまとしてやられた気分になりました。

 一応ネタバレ無しのレビューにしたいので多くは書きませんが、最後がコワイ!
 しかし怖いだけでなく、少しだけクスリとさせてくれる部分があるのには、作者の良心感じました。ありがたや!

 このネタ一本では惜しい、できれば長編化かシリーズ化して欲しい。その祈りを込めてレビューしました。

 皆さんも是非、ご一読下さい!