不貞を働く婚約者には三行半。デキる女は運河を通す!

 ヒロインが婚約破棄をされる物語は数あれど、今作のヒロインであるナタリーはひと味もふた味も違います。

 国一番の資産家にして父から大商会を引き継いだ若き女性実業家ナタリーは、幼馴染で許嫁である貴族の手酷い裏切りに遭って婚約破棄を突き付けます。行動力!(ひと味)

 とは言え、ナタリーの気が強いとかそういう事ではないのです。男である自分が読んでも「男よ、それは絶対ダメなやつだ」と心が痛むほど、本当に絶対ダメなやつなのです。この作品がバトルものなら、彼は生きて居まいと思いました。命拾いしたなミゲル。

 そしてナタリーは婚約破棄を盤石の物とするため、タイトルにある「怪物伯爵」との婚約を目論みます。行動力!(ふた味)

 魔獣の侵入から国を守る辺境伯のケヴィンは、顔に受けた大きな傷から「怪物」と噂される人物ですが、実はちょっとシャイなナイスガイ。ふたりは徐々に惹かれ合っていくのです。

 実業家らしく理知的に事を進めると同時に、恋する乙女であるナタリーと、過去の出来事から慎重になってしまうケヴィンの関係がどうなるのか、今後も目が離せません。

 そして、ケヴィンとその領地のために実業家ナタリーが発案するのが運河建設です。(み味)
 なぜ運河を作るのか、どうやって運河を作るのか。そして運河は完成するのか。

 それは是非、ご自身の目でお確かめ下さい。

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