自分にとって、このお話は一言で言い表すと、「儚い」――。
そんな言葉が浮かびました。
調べてみると、「ヴィクティム」というのは「犠牲者」という意味だったのですね。
そして読了して「なるほど……、慟哭というのはそういう意味だったか!」と膝を打つのでした。
ところどころ、かなり負荷の強いシーンがあることは確かです。
それを補って余りある、読み応えでした。
文章は丁寧で流麗、そして豊富な語彙。
語彙の乏しい自分は、何度単語をネットで検索したことでしょう!笑
「警蹕」って読めます!?
食事のシーンに、相当量のリソースを割いていることも注目です。
徳島や高知の伝統的な食べ物がたくさん登場して、それが文字情報だけでもすごく香ばしくてとても楽しいのです。
最後に、これはとても個人的なことです。
このお話の登場人物は、みーんな美味そうに煙草を吸うのです!
禁煙を続けている自分にはキツイなぁ~、ああーー、煙草吸いたいなぁ~~。
これらは、すべて、作者さんの描写力に裏打ちされているのです。
脱帽!