驟雨に囚われた世界の果て呪詛と祈念の相剋の行方は
- ★★★ Excellent!!!
驟雨に煙る閉ざされた集落の孤独な巫女。
代々、湖に棲まう水神を祀り、集落の
中心となる静宮の一族。
突然死した家長、座敷牢に幽閉される
喪服の未亡人、幼い頃から巫女として
育てられた彼女シズクと、その双子の兄。
長閑な里山の小さな集落は、一見とても
穏やかに存在しているが…。
ある晩、一人の女が集落を抜け命辛々に
寺の門を叩く。女は外から集落へと嫁いだ
者だ。生まれ故郷の寺に助けを求めて夜の
闇を抜けて来たのだった。
寺の住職は微かな 異変 を察知する。
そして、愛弟子カナメに調査を依頼する。
奇しくも、二十年毎に集落の巫女と、この
寺の僧侶とで 儀式 を執り行ってきた、
来年がまさにその儀式の年であり又、件の
集落が始まって以来、百年の節目に
なろうとしていた。
複雑に籠絡った愛憎と価値観。正気と
狂気との狭間で、巫女である彼女は一筋の
光を見つける。
物語は、まだ半ばに差し掛かる処。
水神を祭祀する集落に掛かる、呪いとは。
そして、彼等の辿る 運命 は。
驟雨に囚われた世界の果ては、何処に。