砂漠の国の物語。
その国は、王の無知と横暴とに因って
文字を禁じられ知的好奇心を封じられた。
無辜の民草は生きる為に何らかの対価案を
講じる事を余儀なくされていた。
砂漠に眠る薔薇のような
利発な少女は、かつて知識層であった
祖母と倹しく暮らしていたが。
ある時、砂漠で行き倒れかけていた一人の
青年を助け、御礼に高価な栞を貰う。
一枚の栞が 事件 を巻き起こす。
何処かの遠い国の小さな 事件 には
普遍的な反感を覚えるだろう。知らぬ間に
統制される民草の叡智と希望は、少女が
青年と出会った事で大きく動き出す。
何処までも続く、赤茶けた砂漠の景色。
その中に忽然と存在する水脈が人を呼び
町が出来る。砂漠の町の興隆と衰退、町は
いつしか国となり、独自の文化を創り
文明を築き上げて行く。
色取り取りの果物や野菜を売るバザール。
そして夜には満天の星々が輝く。
作者の持つ感性と、それを文章にする才。
そして物を書くという使命感を凝縮して
堅めた 物語 と言えるだろう。
決して長く複雑な物語ではない。
それだけに、ストレートに心に響く。