第83話
フェリスは猛スピードで走りながら魔物の群れに突撃すると、その勢いを利用してロックアームズを纏った両腕で魔物にラリアットを喰らわせて、ラリアットを喰らわせた魔物とその後方に居た魔物を十数体まとめて始末すると、フェリスはそのまま魔物の群れの中心まで道中の邪魔な魔物をひき殺しながら進んで行った。
魔物の群れの中心に辿り着いたフェリスはその場で立ち止まると、今まで腕に纏っていたロックアームズを解除すると、また新たに魔力を練るとその魔力を火属性に変換して自分を中心にして広範囲殲滅魔法『黒爆炎波』を行使した。
「喰らいなさい。広範囲殲滅魔法『黒爆炎波』」
フェリスは術者を中心にして黒炎を伴った波動を円状に解き放つ広範囲殲滅魔法『黒爆炎波』を行使して自分の半径五百メートルの範囲に居る魔物を魔石だけ残して灰も残さず消し去った。
「あら、こんなに倒してもまだまだいっぱい居るのね。何だか一々魔物達の中心まで行って『黒爆炎波』を使うのも面倒くさいですね。ここは、少し効果範囲が狭くなってしまいますが、『黒炎』を使って倒してくとしましょう」
フェリスはそう言うと、未だ余りある魔力を惜しみなく使い新たに現れた魔物の群れに向けて『黒炎』を連発し始めた。
「あは、あは、あははははは、さあ、どんどん喰らいなさい。そして、跡形も残らずに消え去りなさい。あ、でも、魔石は残して行って頂戴ね」
フェリスはそんな事を笑いながら声高らかに言いつつ自身の残存魔力が四割を切るまで『黒炎』を四方八方に放ち続けた。
そして、残存魔力が四割を切ったフェリスが『黒炎』を放つ事を止めると、西のダンジョンから新たに溢れ出して来た魔物の群れはその大半が灰も残らず消え去り、その場には魔物達の魔石だけが残っていた。
一方、フェリスが声高らかに笑いながら自身の残存魔力が四割を切るまで『黒炎』を四方八方に放ち続けていた時、フェリスの娘のアルスは、両腕にロックアームズを纏って初めに溢れ出して来ていた魔物達を殴り殺していた。
「あ、またお母さんのあれが始まっちゃった。お母さん、隠れバトルジャンキーだからな。今回はどの位あの状態なんだろう。うわぁ、黒炎を連発し始めちゃったよ。大丈夫かなあれ、素材は絶望的だけど魔石ぐらいは残ってくれてると良いなあ」
アリスは母のフェリスが素材だけでなく魔石まで跡形もなく消し去ってしまわないか心配しながら自分が請け負った魔物の群れを地味にしかし着実に倒して行った。
そして、暫くしてアリスが自分が請け負った魔物の群れを殲滅し終え、魔石と使えそうな素材をマジックポーチにしまい母のフェリスが戦っていた場所まで向かってみると、そこにはもう魔物の姿は無く黒炎で焦げた地面に寝転がり寝息を立てているフェリスの姿だけがあった。
アリスは取り敢えず寝ている母を放置して地面に耳を付けると意識を集中い始めた。
「どうやら魔物の群れの後続は今のところダンジョンからは出て来てないみたいね。ふう、それじゃあ、今の内にお母さんを起こしますか」
アリスはそう言うと、未だ地面に寝転がって寝息を立てているフェリスの肩を揺すりだした。
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