第17話 メルル視点

 エルクが屋敷を出てから二時間後、エルクの専属メイドであるメルルもエルクを追って辺境の村に向かった。


 屋敷を出てから凡そ三時間後、メルルは、目的地である辺境の村に着いた。


 メルルは早速、あらかじめコンタクトを取り協力関係になっていた、敵に洗脳されていない辺境の村の駐屯兵が寝泊まりしている兵舎に向かった。


 メルルは目的の兵舎の前まで来ると、扉をノックし、少し待っていると扉の向こう側から男の低く渋い声で「誰だ」と言う声が聞こえて来た。


「私、メルルよ。扉を開けてくれるかしら」


「合言葉を言え」


「邪神の息の根を止めろ」


 メルルが扉の向こうにいる男に合言葉を言うと、少しして鍵を開ける音がすると、静かに扉が開いた。


「入れ」


 メルルは、男に指示された通りに兵舎の中に入ると、男は、扉の鍵をかけてから私を応接室まで連れて行き椅子に座る様に言って来た。


「それで、事は上手く行っているのだろうな」


「ええ、今のところはね。それで、大体一、二時間くらい前にこの村に七歳くらいの男の子が来たと思うのだけど、無事に到着しているかしら。その子が今回の保護対象なのだけど」


「なに!? 今日は十分ほど前まで村の入り口で門番をしていたが、そんな子供見ていないぞ。一体どうするんだメルル、今回の仕事は保護対象を無事に国王陛下の元まで送り届けることだぞ。それなのに肝心の保護対象であるエルクセール様が行方不明だなんて一体どうするんだ。敵はまだ生きているんだぞここで話している間にもエルクセール様のお命が脅かされているかも知れない。急いでエルクセール様の捜索隊を編成する。メルル、お前は一足先に捜索を開始しろ」


 男はメルルにそう言うと急いで応接室を出て行き捜索隊を編成し始めた。


「なぜ私が教えた通りにこの村まで、来てないのですか。」


 メルルは座っている椅子の近くにあった机を殴りつけながらそう言うと、椅子から立ち上がり応接室から出て行き、直ぐに動ける部下を連れて編成中の捜索隊に先行してエルクの捜索を開始した。


「良いですか。五人一組で行動します。では先ず、一班は私と一緒にフィールド型Sランクダンジョン『死の森』に入りエルクセール様の捜索を続いて二班はこの南の国境に隣接しているもう一つの国、ガドブック公国方面を捜索して下さい。そして、三班はミクロス帝国方面であるこの周辺の捜索を行って下さい。もしかしたらこの辺りで迷子になっている可能性もありますから。では、捜索開始」


 メルルの部下たちは、メルルの掛け声により各自捜索を開始した。


 しかし、捜索を開始して三日経ってもメルルたちはエルクを発見することは出来なかった。


 メルルたちが捜索している間メルルの持っていた瓶の中に入った生命の花は激しく点滅し続けていたが、捜索開始から三日たった頃には点滅は止み花も心なしか萎れていた。






最後まで読んでいただきありがとうございます。


『面白かった!続きが気になる!今後の展開が気になる!』と思いましたら


☆☆☆から、作品の応援をお願いします。


面白かったら☆三つ、つまらないと思ったら☆ひとつでも大丈夫です!


何卒よろしくお願いします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る