　トイニーは両腕と両足に純粋な魔力を纏い身体能力を強化して、ノワールは両腕と両足に雷の魔力を纏わせて破壊力と貫通力を強化して、北のゴールド級ダンジョンから溢れた魔物の群れを一掃していた。

　トイニーとノワールが魔物の群れを一掃し始めてから暫く経ち、溢れ出していた魔物をそろそろ始末し終えるかと言った時、ゴールド級ダンジョンがある方から新たな魔物の気配をトイニーとノワールは察知した。

「どうやら、魔物達の後続がダンジョンから出てくるみたいですね。今度の群れはシルバー級とゴールド級の獣系の魔物が主体の様です。ノワール、更に気を引き締めて行きますよ」

「わかっていますわ。お母さま」

　トイニーとノワールは改めて気を引き締めると、初めに溢れていた残りの魔物を素早く片付けた後、新たに溢れて来たシルバー級とゴールド級の魔物達を一掃するために直接氾濫しているゴールド級のダンジョンへと向かい、既に少し溢れていた魔物を片付けると、ダンジョンの中へと入って行った。

　ダンジョンの中に入ると早速奥の方からぞろぞろと魔物も大群がダンジョンの外に向かって進行して来ていた。

「お母さま、あの魔物の大群、結構な数が居ますわね。あれが今回のこのダンジョンで起きたスタンピードの本体でしょうか。一番奥にとてつもなく大きい気配を感じますわ」

「そうかも知れませんね。それでは、さっさと片付けて早くマスイの街の防衛に戻るとしましょうか」

「そうですわね。それでは行きましょうか。お母さま」

　そうして、トイニーとノワールは、ダンジョンの奥からどんどんと溢れ出て来る魔物の群れへと向かって行った。

　一方時は少し遡り、トイニーとノワールが北の地にてゴールド級ダンジョンからあふれ出ていた魔物達と対面した時、西の地にてフェリスとアリスは、シルバー級ダンジョンから溢れ出て来ていた魔物の群れと対面し、北の地に向かったトイニーとノワールより少し早く魔物達と対峙していた。

「お母さん、もう既にもの凄い数の魔物が溢れ出て来てるね」

「そうね。先ずは、溢れ出ている魔物の群れを片付けましょう。この様子だとまだまだ溢れ出て来るでしょうからね」

　フェリスとアリスは、先ず、既に溢れ出て来ていた魔物を一掃するために両腕を岩の塊で覆うと、手当たり次第に岩の腕で魔物を殴り飛ばして行った。

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