第82話

 フェリスとアリスは、先ず、既に溢れ出て来ていた魔物を一掃するために両腕を岩の塊で覆うと、手当たり次第に岩の腕で魔物を殴り飛ばして行った。


「うん。お母さん、箱庭で新しく考えた魔法だったけど、このロックアームズ中々使えるね。それに魔物を殴り飛ばす時のスカッとした爽快感が私少し癖になりそう」


「そうね。お母さんもこの魔法結構好きよ。さあ、こんな所で無駄口を叩いている暇はありませんよ。早くマスイの街の門の防衛に戻らないといけないからね」


「うん。あ、お母さん、向こうから魔物の群れがまたどんどん来てるよ。ここに残ってる魔物は私に任せて、お母さんはあっちの魔物の群れをやっつけて来て」


「わかったけれど、ここの魔物はあなた一人で大丈夫ですか。見たところまだ数百体位残っているわよ」


「うん。大丈夫だよお母さん。この位の数は私一人で」


「そう。じゃあ、お母さんは少しここを離れるからね。アリス、余り無理はしちゃいけないからね。少しでも厳しいと思ったら直ぐにお母さんを呼ぶのよ」


 フェリスはアリスにそう言うと、西のダンジョンの方から新たに現れた魔物の群れへと向かって行った。


 新たに現れた魔物の群れに向かって行ったフェリスを見送ったアリスは視線をフェリスから自分の前にいる数百体いる魔物の群れに向けた。


「さてと、お母さんにああ言った手前、ちゃんとこの魔物の群れを殲滅しないとね。ロックアームズでさっきみたいに殴り殺して行くのも良いけど、あれだと時間がかかり過ぎるからなあ。消費魔力が少し多くなっちゃうけど重力魔法を使おうかな」


 アリスはそう言うと魔力を練ると両手を魔物の群れに向けて、重力魔法を魔物の群れに放った。


「喰らいなさい。これが今の私の全力にして奥の手の重力魔法だよ。『グラビティプレス』」


 アリスが放った重力魔法のグラビティプレスによって、数十体の魔物達が一瞬の内にその場で圧し潰されてぺちゃんこになっていた。


「うっ、やっぱり消費魔力が多いわね。まだこの後何があるかわからないし、魔力は節約しないとかな。ふう~、残りの魔物はロックアームズで片付けるかな」


 アリスはそう言うと、岩魔法のロックアームズを両手に纏わせると、残りまだ三百体程いる魔物の群れへと向かって駆けだした。




 アリスがグラビティプレスで魔物を数十体圧殺している頃、母親のフェリスは新たに出現した魔物の群れに向かって猛スピードで走っていた。


 フェリスは猛スピードで走りながら魔物の群れに突撃すると、その勢いを利用してロックアームズを纏った両腕で魔物にラリアットを喰らわせて、ラリアットを喰らわせた魔物とその後方に居た魔物を十数体まとめて始末すると、フェリスはそのまま魔物の群れの中心まで道中の邪魔な魔物をひき殺しながら進んで行った。


 魔物の群れの中心に辿り着いたフェリスはその場で立ち止まると、今まで腕に纏っていたロックアームズを解除すると、また新たに魔力を練るとその魔力を火属性に変換して広範囲殲滅魔法を行使した。





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