第2話
ダンジョンの中へと入ったエルクは、冒険者になってから愛用しているアイアンソードを右手に握りしめながら一階層の探索を開始した。
「アダマンタイト級のダンジョンに入るのは今回が初めてだけど、他の洞窟型の低ランクダンジョンと内装は変わらないんだな。お、早速、魔物のお出ましか。ん、こいつは何だ。アイアン級のホーンラビットに似ているけど、ちょっと違うみたいだな」
ダンジョンに入ってから最初にエルクの前に現れた魔物は角ではなくソードを頭から生やしたラビットだった。
エルクは、そのソードを生やしたラビットをソードラビットと呼ぶことにして、警戒を最大限にしてソードラビットを観察することにした。
「こいつは初めて見る魔物だけど、どうやら攻撃パターンは、ホーンラビットと大差ない様だな。まあ、あのソードは角よりも殺傷能力がありそうだけどな。対処法もわかったしサックと倒して先に進もう」
そして、暫くしてソードラビットの突進を横に避けて首を切り飛ばしたエルクは、ドロップ品である魔石を無限収納にしまうと、先に進んで行った。
そんな感じで一階層、二階層、三階層、四階層を進んで行き、階段を下りて五階層に降りると、そこには今までは無かった巨大な扉が鎮座していた。
「ここは、中ボスの部屋か。ゴールド級ダンジョン以上になると十階層ごとのボス部屋の前に中ボスの部屋があるけど、やっぱりここのダンジョンにもあったか。さて、一体この部屋の中には何がいるのかな」
エルクは、中ボス部屋に入る前に軽い食事を取り軽い小休憩を挟んでから中ボス部屋の中へと入って行った。
エルクが中ボス部屋の中へ入ると中にはホーンラビットやソードラビットと同じくらいの大きさのドリルの生えたラビットが部屋の中央に寝そべっていた。
「お、今度は頭にドリルが生えたラビットだ」
今まで部屋の中央に寝そべっていたドリルラビットはエルクの呟きを聞いて首だけ持ち上げるとエルクの方を見てからのっそりと起き上がり改めてエルクを見つめると甲高い雄たけびをあげた。
エルクは、ドリルラビットの雄たけびを聞いて一気に警戒度を最大にしてアイアンソードを構えてドリルラビットを迎え撃った。
「体の大きさもホーンラビットやソードラビットと同じくらいだし、同じ要領で攻撃すれば大丈夫だよなあ。兎に角やってみるしかないか」
エルクは、ドリルラビットと数回剣を交えたが、エルクは大丈夫だと判断したのか、ホーンラビットやソードラビットの時と同じようにドリルラビットの突進を避けて首を落とそうとして剣を右手に持って構えた。
しかし、ドリルラビットの突進は前の二体の突進とは一味違った。
突進のスピードが前の二体のスピードよりもはるかに速かったのだ。
エルクは、とっさに避けるタイミングを今までよりも早くして避けたが、ドリルラビットの突進は、思っていた以上に早くちゃんと避けることが出来ず、左腕にドリルラビットのドリルがかすってしまったが、エルクはドリルラビットの動きが一瞬止まったのを見逃さずその隙を突いて首を切り落としてドリルラビットを倒すことに成功した。
ドリルラビットを軽傷を負いながらも倒すことが出来たエルクは、無限収納から回復ポーションを取り出すと一気に飲み干して負った怪我を治してから中ボスであるドリルラビットの討伐報酬である魔石と宝箱を無限収納に回収すると宝箱と一緒に現れた扉を開けて階段を下りて六階層に向かった。
六階層からは、今までの階層と異なり出現する魔物はラビット系からゴブリンに変わっていた。
「次の階層はゴブリンか。ゴブリンエリートまでならオレ一人でも対処できるけど、更に上位種のゴブリンナイトとかが複数体出てきたらオレじゃあ少し厳しいかも知れないなあ」
しかし、エルクの心配は杞憂に終わり結局六階層と七階層にはただのゴブリンしか出現しなかった。
「六階層と七階層にはゴブリンしか出て来なかったからこの八階層からは、そろそろ上位種のゴブリンエリートとかが出て来るんだろうなあ」
エルクは、八階層に降りてから暫く魔物には出くわさずに探索を続けていたが、遂に魔物と遭遇した。
「っ、遂に出て来たか。ゴブリンエリート二体。まあ、二体なら何とかなるか」
エルクは、アイアンソードを構えると少しずつ二体のゴブリンエリートに近づいて行き道中で拾って来た石を片方のゴブリンエリートに向かって投げつけて、怯ませているうちにもう片方のゴブリンエリートに切りかかり腕と足に切り傷を負わせて手負いの状態にして動き難くして今度は、投石で怯んでいたもう片方のゴブリンエリートに切りかかって行った。
そして、投石で怯んでいた方のゴブリンエリートを少し時間をかけて倒した後、手負いの状態で動けなくなっていたもう片方のゴブリンエリートに止めをさして八階層での最初の戦闘を無事に終えた。
「よし、何とか作戦は成功したな。この調子で探索して行こう」
その後、エルクは、二体までの魔物とは戦い三体以上の魔物と遭遇した時は、無理せずに回避しながら先へと進み八階層を踏破して、九階層へと続く階段を降りて行った。
そして、エルクは、九階層も八階層と同様に二体までの魔物とは戦い三体以上の魔物と遭遇した時は、無理せずに回避して先に進むと言う作戦で探索して行き、無事に踏破することが出来た。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
『面白かった!続きが気になる!今後の展開が気になる!』と思いましたら
☆☆☆から、作品の応援をお願いします。
面白かったら☆三つ、つまらないと思ったら☆ひとつでも大丈夫です!
何卒よろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます