第61話
エルクは、ルリからエルスハイド辺境伯領の領都エルスで起きた出来事について聞いた時に突然、頭に激しい痛みを感じて頭をその場で抱えたまま踞ってしまった。
「ど、どうしたのエルク、頭がいたいの。もう宿に戻ろうか。」
「いや、大丈夫だよ。何だか急に頭に激痛が走っただけだから。それに、もう痛みもおさまったから、もう心配いらないよ」
「そう、それなら良いのだけど、まだ、痛みが有るなら無理せずにちゃんと言ってね」
「ああ、ありがとう」
「それにしても、エルスハイド辺境伯領の事件を聞いた瞬間に頭痛が起きるなんて、一体どうしたのかしら。まさか、『神狼の住み処』でエルクが私に話してくれた記憶喪失の件と何か関係があるのかしら」
「どうだろうな。今やっている箱庭の一件が終わったら一度皆でエルスハイド辺境伯領の領都エルスに行ってみるか」
エルクはルリから情報を聞き終わると二人で酒場の店員が持ってきてくれた食事を美味しく頂いて会計を済ませると、酒場を出て宿泊している『旅人の足休め亭』に戻って行った。
宿の受け付け係に預けていた部屋の鍵を受け取り宿泊している部屋に戻ってきたエルクとルリは、その足で早速、箱庭のゲートで箱庭の中に入り城の執務室へ向かった。
「お、皆、ちゃんと報告書を作ってから仕事に行ったみたいだな。どれどれ読ませてもらうかな」
エルクとルリは、手分けして執務机の上に置いてあった数枚の報告書を読んでいった。
「へ~、ちゃんと考えられているじゃないか。うん。これで良いかな。ルリは、この報告書の通りに進めて良いと思うか」
「ええ、大丈夫だと思うわよ」
「よし、それじゃあ、このまま進めてもらおう」
エルクは、各報告書にそのまま進めてくれと書き込むと、その報告書を持って二階にある会議室に行き、各班が使っている机の上に報告書を置き、二人はエルクの寝室へと向かって行った。
エルクの寝室に着いたエルクとルリは、部屋に備え付けられている浴室で、一人ずつ汗を流してから、二人並んでキングサイズのベッドに座ると、どちらともなく話始めた。
「ね、ねえ、エルク、手が、ふ、震えているわよ。そ、そんなんで、こ、これから、エッチで、出来るんでしょうね。わ、私、ととと、とても楽しみにしてたんだから、ちゃんとしてくれないと、こ、困るんだからね」
「わ、わかってるよ。て言うか、ルリ、お前も手どころかからだ全体が目茶苦茶震えてるじゃないか。お前こそ少しはリラックスしろよ」
「し、仕方ないでしょ。わ、私は、こ、こう言うことは、は、初めてなんだから。エルク、あなたが、わ、私をリードしなさいよね」
ルリにそう言われたエルクは、少しの間目を閉じて考え込むと、カツと目を見開くと、隣にいるルリの手を未だ震えている手で力強く握ると、ただ、「わかった」と呟いた。
そして、エルクとルリは、そのままベッドにた折れ込むと、体を重ね合い、お互いつたないながらも激しく求め合った。
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