第60話
ルリの得た情報は主に三つで、一つ目は、エルスハイド辺境伯領の領都エルスで、今まで中々尻尾を掴むことが出来なかった邪神教団のエルスハイド辺境伯領支部の幹部が捕縛されたという事件、二つ目は、王都近くに領地を持つアンディゴ子爵の領地のティゴンの町の近くにあるドラゴンマウンテンに住み着いていたレッドドラゴンを討伐しようとして失敗したあるゴールド級冒険者パーティーの話で、三つ目は、今回、エルクとルリが受けた依頼のオーガ討伐に関する情報だった。
「そうか、じゃあ先ずは俺達が受けるオーガの討伐依頼の聞いた情報について詳しく教えてくれるか」
「わかったわ。先ずは、街道に突如出没する様になったオーガの群れによる被害状況だけど、既に幾つかの商団が被害を受けているわ。そして、もう察しはついていると思うけど、死者も数人出ているみたいよ」
「そうか、もうそんなに被害が出ているのか。これは、早急に対処する必要があるな。よし、明日の早朝にはこの宿場町を出発するぞ。それで、他の二つの情報についても聞かせてくれるか」
「ええ、わかったわ」
そして、その後、ルリがエルクに話した内容は以下の通りだった。
先ず、アンディゴ子爵の領地のティゴンの町で起きた事件についてであるが、なんとエルクが以前所属していたゴールド級冒険者パーティーである事がわかった。
ルリが酒場で聞いた話によると、何でも彼等は、ある事情で金欠に陥りミスリル級依頼のレッドドラゴンの討伐依頼を受けたらしい。
ここからは話の中でも噂話として話されていたみたいだが、彼等は、その依頼で全員重症を負い長期間の療養が必要なったらしく、中でもパーティーの攻撃系魔法使いであるマリアは、四肢の欠損があるらしく、復帰は絶望的であると言う意見も出ているみたいだ。
「それで、そのティゴンの町では満足な治療ができないと言うことで、近近ティゴンの町から王都の王立大病院に転院するみたいよ」
「そうか、でも何だかしっくり来ないな。その四肢の欠損があるって言うマリアもパーティーの盾役のゴードンもとても慎重な奴でさ、格上の依頼しかもレッドドラゴンの討伐依頼なんて、相当受けるのに渋った筈なんだけどな。まさか、ナナリーとミゲルに強引に押しきられたのか。全く、愚かな奴等だな。それで、もう一つの情報についてはどんな感じだった」
そして、エルクは、ルリからエルスハイド辺境伯領の領都エルスで起きた事件について聞いた時に、突然頭に激しい痛みを感じて頭をその場で抱えたまま踞ってしまった。
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