第78話

 一方、エルクが三十体もの魔物を一瞬で屠り、ルリが魔力操作の練習をしながら魔物を屠っている頃、合流してゴールド級やミスリル級の魔物と戦っているブロンとバズは、お互いの背中を預けながらゴールデンゴーレムの群れと戦っていた。


 ブロンとバズは、ゴールデンゴーレムの群れに周囲を取り囲まれ、退路を断たれお互いに背中合わせにゴールデンゴーレム達と対峙していた。


「父さん、僕達完全に囲まれちゃったよ。しかも、よりによって僕達を取り囲んでいるのが魔法攻撃がとても効きにくいミスリル級魔物のゴールデンゴーレムだなんて。くそっ、こんな事なら母さんに体術をもっと教えてもらうんだった」


「だな、我も槌を持ってくれば良かった。しかし、ない物ねだりをしても今のこの窮地は打開できぬからな。うむ、バズよ。この窮地を脱するために一時的にワイバーン形態になってこの窮地を覆すとしよう」


「仕方ないかな。人間形態の僕達だと今のこの事態はどうすることも出来ないしね。まさに、主様が言っていた万が一の時に該当しそうだし、良いんじゃないかな」


 そして、ブロンとバズは、それぞれセイントキングワイバーンとセイントワイバーンに姿を変えて、周りを取り囲んでいるゴールデンゴーレムの群れを一掃し始めた。


 ブロンとバズが、それぞれセイントキングワイバーンとセイントワイバーンに姿を変えて、周りを取り囲んでいたゴールデンゴーレムの群れを一掃し始めてから凡そ五分後、一通り周りを取り囲んでいたゴールデンゴーレムの群れを一掃し終えたブロンとバズは、ワイバーン形態を解除して人間形態に戻ると、大分減ってしまっていた体力と魔力を回復させるために腰に付けているマジックポーチから体力回復ポーションと魔力回復ポーションを一本ずつ取り出すと一気に飲み干した。


「ふ~う、思いの他ダメージを負ってしまったな。それにしてもこのマジックポーチは本当に凄い品物だな」


「うん。本当に凄いよね。このマジックポーチ。このマジックポーチもこのポーション類も主様が錬金眼を駆使して作ってくれたものだけど、本当に主様は凄いよ。戦闘だけじゃなくて物作りも出来ちゃうんだから。僕ももっと強くなって、将来的には主様の役に立つために何か一つ戦闘以外に出来る事を探したいな。例えば鍛冶とか木工とかさ。どう思う父さん」


「そうだな。良いんじゃないか。……よし、我もこのスタンピードが終息した後にでも何か始めてみるかな」


 その様な話を話した後、ブロンとバズは、まだうじゃうじゃ居るミスリル級とゴールド級の魔物を殲滅するために歩き出した。





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