第13話
冒険者ギルドを出たエルクたちはその足でマスイの街を出ると、マスイの街の門から少し離れたところまで行き人気がないことを確認すると、エルクは無限収納から魔道馬車とオリハルコンで出来た魔道馬を出して魔道馬と魔道馬車をドッキングさせた。
「キイラには乗合馬車に乗って行くのを進められたけど、俺たちはこの魔道馬車に乗ってエスト村まで行くぞ。と、その前に魔道馬車の内装を整えないとな。ちょっと色々設置するからみんな手伝ってくれ」
それから馬車内に魔道キッチンや魔道風呂、快眠ベッド(キングサイズ)、大型ソファー(十人用)、大型テーブルなどの家具類をみんなで設置してから魔道馬車の先頭部に設置してあるパネルで行先をエスト村に設定するとエルクたちはゆっくりと馬車に揺られながらマスイの街を出発した。
マスイの街を出てから数時間後、エルクたちは無事にエスト村に到着した。
「ここがエスト村か。中々おもむきのある良い感じの村じゃないか」
エルクたちは魔道馬車を降りてから魔道馬車と魔道馬を無限収納にしまうと、エスト村の入り口に向かって行った。
エルクたちがエスト村の入り口に近ずくと入り口で門番をしていた三十代後半から四十歳くらいのおっさんが何やらもの凄い形相でエルクたちの方に向かって来た。
それと心なしか村の中が慌ただしく村民たちが村の中を忙しなく動き回っている光景が村の門から見え隠れしていた。
「おい、お前たちは何者だ。今は取り込み中だしょうもない理由でこの村に来たのなら今日の所は大人しく帰ってくれ」
「あ、いや、ギルドでゴブリンの間引きの依頼を受けて来た冒険者なんだけど。この村で何かあったのか」
「何、冒険者だと。すまないが依頼書と冒険者カードを見せてくれるか」
「ああ」
エルクたちは門番のおっさんに依頼書と冒険者カードを見せた。
「うむ、確かに確認した。悪いが俺は今忙しいから詳細については村長夫人から聞いてくれ。夫人は村長邸にいるからな」
門番のおっさんはそう言うと槍を持って集会場の様な所に向かって走って行った。
エルクたちは取り敢えずこの村に今何が起こっているのかを知るために門番のおっさんが言っていた村長邸に向かった。
「すまない。依頼を受けて来た冒険者の者だが村長夫人はご在宅だろうか。ちょっと話を聞かせて頂けないかと思っているのだが」
エルクが村長宅の戸を二回ノックしてからその様に声をかけてみると、数分して家の奥の方から足音が聞こえて来てその足音は次第に大きくなり、戸が開くとそこには初老の女性がいた。
「あの、村長夫人はご在宅だろうか。依頼についてと今この村に何が起こっているのかを詳しく聞きたいのだが」
エルクはその初老の女性に聞いてみると、初老の女性は何だか慌てた様子でエルクたちに縋り付いて来た。
「冒険者の方たちですか。お、お願いします。た、助けてください。昨日ゴブリンの群れに拐われた村の娘を助け出すために主人を含めた村の男たちが森の中に入っていってしまって、それから数時間経っても誰も帰ってこないんです」
「数時間って大体どのくらい時間が経っているんですか。その時間によっては早速森に入って村人たちの捜索をしないといけませんから」
エルクが村長夫人を落ち着かせるように話しかけると、村長夫人は少し落ち着いたのかゆっくりと話始めた。
「主人たちが村を出たのは大体五時間くらい前です。どうか主人と村の者たちを助けてください。お願いします」
「任せてください。最善を尽くします」
エルクは夫人に任せろと言うとみんなと少し離れたところに行き話し合いを始めた。
「この村を出たのが三時間前だとすると余りこの村で悠長に過ごしている暇は無さそうだな。よし、みんな、ゴブリンの間引きは程々にして拐われた村娘と救出しに行った村長たちの捜索に当たるぞ。それじゃあ、出発だ」
そして、エルクたちは村を出て森の中へと入って行った。
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