第44話
エルクとルリが牧場にある加工工房の横でどんな動物を揃えるか議論している皆の所に着くと議論は白熱していた。
「先ず、前提が違うが、我は動物ではなく比較的温厚な魔物を連れて来るのが良いと思っているのだが、皆はどう思うだろうか」
ブロンのこの発言にブロンの妻であるトイニーと新入りのフェリスが反対意見をブロンにぶつけていた。
「確かに、魔物の乳の方が味は上ですが、魔物の乳は動物の乳と違って加工品には不向きです。その事を考えると食料品としては断然動物の乳の方が良いと私達は思うのですが、どうでしょうか」
「うっ、確かに、食料品としてはそうかもしれないが、後に、外で売りに出すなんてことがあった場合、魔物の方が、乳だけでなく肉や毛皮など魔物の方が高く取引する事が出来ると思うのだが、トイニー、フェリス、その辺はどう考えているのだ」
「「え、そ、それは、でもご主人様は美味しい食事を求めていらしたから、色々な加工食品にする事が出来る動物の方が良いと私達は思っているの」」
この様にブロン達の議論が白熱している所にエルクとルリがやって来た。
「お前達、一体何をやっているんだ。途中から釣り堀の方まで大きい声が聞こえて来ていたぞ。それで、どうしたんだ」
それからエルクとルリは、ブロン達に何について言い争っていたのか聞かせてもらった。
「なんだよ。そんな事か。それなら両方やれば良いじゃないか。丁度、今まで小屋があったエリアがあるだろう。あそこは敷地も広いし牧場にするには丁度いいんじゃないか。なあ、ルリ」
「そうね。ならこの目の前の牧場では動物を飼育して、下の小屋があったエリアには魔物を飼育するのはどうかしら。そうやってわけた方が動物が魔物に襲われる心配もなくて、のびのび生活していけると思うのだけれど。どうかしら」
「そうだな。どうだ皆、俺は皆の意見が反映されていて中々良い案だと思うが」
ブロン達は、暫く皆で集まって何か話し合った後、皆で頷きあってルリの案に全面的に賛成してくれた。
そして、皆で更に話を詰めていき、一度、ゴールド級の依頼を受けてから領都ロクスへと向かい牛や羊、鶏などを買いに行く事となった。
「よし、そうとなれば、最低限の施設はもう出来たし、もう夕食の時間だから食事にしようか」
それから、エルク達は城でゆっくりと過ごした後、各自に割り振った部屋で眠りに就いた。
尚、ルリだけは、深夜、皆が寝静まった時間帯にエルクの部屋へと行き、こっそりとエルクのベッドに潜り込んでいた。
今回は短めにまとめました。
次回は幼馴染達サイドのお話になります。五話ほど続く予定ですので、楽しんで読んでください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
『面白かった!続きが気になる!今後の展開が気になる!』と思いましたら
☆☆☆から、作品の応援をお願いします。
面白かったら☆三つ、つまらないと思ったら☆ひとつでも大丈夫です!
何卒よろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます