第105話 グループホームでの母の様子 (2)
グループホームに入所して六日目の二月六日(日)。
施設からラインが届いた。
最近の母の様子を知らせて下さった。
母に用意していた毛糸のカーディガンには花の飾りが付いていたのだが、その花を引っ張ってちぎったそうだ。別のカーディガンに着替えると今度はボタンが気になるようで引っ張っているそうだ。そう言えば家に居た時も服に付いている飾りは全部引きちぎってしまった事があった。服の柄も小さい模様だと何かが付いていると思うのか取ろうとしていた。これから用意する母の服は飾りのない無地の物がいいのかもしれないと思った。
又、排便の事も気になっていたので先日、病院で処方してもらった排便を促す薬を持って行ったのだが、それからは順調に排便しているとの事で安心した。トイレも時間を決めて誘導すると失敗なく出来ているとの事、夜もしっかり休んでいる事、食事もしっかり食べている事、今後も母の様子を見ながらサポートしていく事などラインで送って下さった。
それから今回は画像ではなく約二分位の動画も添付されていた。
スマホに母の顔が写っている為、それを見て自分のお母さんだと思っているようだ。
母はしきりに自分の顔に向かって「私のおばあさんかいのう、親じゃね」と言うのでスタッフの人が「○○さんですよ」と言って下さると「私かいねぇ、まぁボケてから」と言ったかと思うと「おばあさん、あばあさん」と呼び掛けて「まぁ、しっかりしとるね」と言ったり「ボケてしもうてから」と言ったりしている。
母は自分の顔を自分のお母さんと思ってみたり、スタッフの人に言われて自分だと気づいたり、分かってみたり、分からなくなってみたりするので、その動画を見た私は思わず笑ってしまった。言ってることはトンチンカンでも、母の元気そうな表情は動画で分かったので安心した。
忙しい中、こうしてラインを送って様子を知らせて下さる施設のスタッフの方の配慮にも感謝の気持ちでいっぱいになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます