第71話 朝のルーティン

 母は比較的朝方はよく眠っている事が多い。

その為、母を起こすまでは自由が効くので私なりの朝のルーティンがある。


 たまたま自然に目覚める事もあるが大抵は私も朝方眠り込むことが多くケータイのアラームで眼が覚める。アラームを止めてもまだ頭がぼんやりしているのでまず一曲だけお気に入りの曲を聴く。最近の歌から昔懐かしの歌だったりその日の気分で決める。時にはユーミン。時にはあいみょん。一曲だけ聞きながら身体の指先や足先を動かしたり顔面や頭をマッサージしていく。一曲終わる頃には何とかスッキリしてくる。その後、いったんトイレに行き、それからコップ一杯の水を飲む。母の部屋をそっと開けてみてよく眠っているのを確かめてから再度今度はヨガマットの上でヨガで習った軽いストレッチを行う。それからやっとパジャマから普段着に着替える。


 各部屋のカーテンや窓を開け新鮮な空気を入れる。深呼吸し歯磨き、洗顔を済ませて軽く化粧して今度は三ヶ所(母屋、離れ、外)あるトイレ掃除と玄関掃除(三和土は雑巾がけする)をする。洗濯物も洗濯機にかける。

 そして朝食の準備をして母を起こす。


 この流れの中で母が起きなければ朝のルーティンは大成功である。途中、母がトイレに起きる事があるが母のトイレ介助をすると又ベットに横になってもらい続きをするようにしている。あらかじめ決めておいたやるべき事を母を起こす前にやっておくとゆとりをもって母に接することが出来る。母の身の回りの世話に専念できる。たまには母も起き上がってトイレを済ました後も寝てくれず振り回される事もあるがそれはそれとして割り切るようにしている。朝のルーティンが成功した日は何となく一日が気持ちよく過ごせるような気がする。

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