第130話 母、痛みの訴えが続くため受診する

 九月五日の午前九時過ぎに施設より連絡があった。

ここの所、痛み止めを飲みながらも、腰回りの痛みの訴えが続くため、念の為にかかりつけの病院に相談して受診することになったとの事。

コロナ禍なので、施設のスタッフで対応して下さるようだ。

有難い!

施設では、膀胱炎などの病気や、以前診断された膵臓癌疑いの件も心配して下さっているようだ。

結果は受診後に知らせるとの事だった。


 最近は、食事の時に座っていてもすぐに痛がる為、楽な姿勢で食事介助してもらいながら食事をしており、食後もすぐにベッドで休ませてもらっているようだ。

寝ている時間が長くなって認知が進むことや身体が弱ってくる事も気にかけて下さっている。

一体、何が原因なのだろう?

私も家にいながら、受診結果を待つしかない。


 十一時二十分頃、施設から電話が入る。

膀胱炎などの心配もないし、お腹を押さえても痛みの訴えはなく、膵臓癌の方も問題ないだろうとの事。

もう、座ったら痛いと感じてしまうように、脳が誤操作を起こしているのかもしれないとの事ではっきりした原因は分からなかったとの事だ。

血液検査もしたが、結果は後日ということで、何か異常があれば連絡するとの事だ。

今日の受診では異常は見られずこれだという、原因は分からなかったようだ。


 元々、母は家にいた時から原因不明の痛みの訴えはよくあったが、最近は、それが酷くなり長く座っていられなくなったようだ。

寝ている体勢だと楽なようなので、痛みを感じないように必然的に寝てばかりいることになる。

それはそれで、認知症を進める問題も出てくる。

原因も分からないのだからどうしようもない。

痛みがあるのは本当に辛いものだ。

私も最近、左手の痛みで辛い思いをしたばかりなので、痛みが続くのはかわいそうだなと思う。

もう歳なのでやむを得ないことなのか。

痛みを感じながら、何の楽しみも持てずに、それでも生きていくということは、辛いことだと思う。

歳を取るって切ないね。

もっと痛みもなく穏やかに生きていけないものだろうか。


そんな事を思いながら、痛みがなくなることを祈るばかりの私である。




 

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