第149話 母との面会
二〇二三年最後の母との面会は娘と孫達(母にとっては孫とひ孫達)だった。
十二月二十八日(木)、娘達が我が家に来た機会に母の面会に行った。
今はまだ一回の面会は三名で十五分までという面会制限があるので、娘と孫二人が母と面会することになった。
娘達は母の部屋へ案内されて、私は母の部屋の外の窓側から様子を見ていた。
先日、姉達が来た時は、眠っていてその後目が覚めても反応が悪かったが、今回母はちゃんと起きていて車椅子に座って元気そうに迎えてくれた。
娘や孫達への反応も良かった。
最初はよく分からない様子だったが、娘達が何度も声掛けするうちに「うん、うん、わかる!」と言ってくれたようだ。
毎回思うが、孫やひ孫への反応はいつもと違って非常に良い。
それだけ、孫、ひ孫パワーは特別なのだろう。
母は特に子供好きなので、会えただけできっと嬉しくなるのだろう。
娘達も母と一緒に写真を撮って「おばあちゃん、元気そう」と喜んでいた。
元気で新しい年を迎えて欲しいと祈りながら、施設を後にした。
*******
二〇二四年、母は元気に新しい年を迎えることができた。
有難く感謝である。
一月五日(金)、今年最初の母への面会は私一人で行った。
今回は利用者様が集っているホールで面会させて下さった。
中央にある大きなまあるいテーブルに四人の方が座っておられ、その横に小さめのテーブルがありそこには二人の方が座っておられ新聞を見たり、テレビを見たりされていた。
母は私が入って行った入口近くのテーブルの所に車椅子に座って待っていた。
職員さんが私も隣りに座って母と話ができるように椅子を持って来て下さった。
ホールでは他の利用者様も穏やかに過ごされていた。
母に話しかけたり手を握ったりしながら、職員さんにも最近の母の様子を聞きながら過ごした。
利用者様の中にHさんという方がいらして、その方は母より五歳若く、頭もしっかりしておられ、母と昔、一緒に踊りを踊ったりしたことがあると教えて下さった。
「〇〇さん(母の名前)は、とっても頭がよくてしっかりして優しい人だったんよ」「踊りも上手でよく一緒に踊っていたんよ」と懐かしそうに話して下さった。
今、母の口から昔話を聞くことが無くなった私にとっては母の元気だった頃のことをよく知っているというHさんの話はとても新鮮でこうして聞かせてもらえたことが嬉しかった。
以前、詩吟をしていたことは私も知っていたけど、踊りを踊ったりしていたことは初耳だったので尚更、母の昔元気だった頃の話は感動的だった。
母はそんなHさんの話を聞いているのかどうかも分からない感じだったが、「すずちゃん、昔は色々頑張っていたんだね」というと「うん、うん」と言っていた。
今回の面会は母の昔の情報が聞けてちょっと得した気分で施設を後にした。
近況ノートに母が孫・ひ孫と面会した時の画像あります。
https://kakuyomu.jp/users/cocopin/news/16817330669501797122
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