第148話 姉たちが母に会いにやってきた

 大阪に住む長姉が、この春からアメリカに住んでいる孫(受験生)を預かっていた為、家を空けることができず、母の面会に来れずにいた。

その孫が無事に希望の高校の試験に合格し、一旦アメリカに三週間ばかり帰って行ったので、その間を利用して母に会いに来ることになった。


 十七日(日)の朝、アメリカに帰って行ったので、十九日、二十日の二日間、我が家に来ることになった。

それに合わせて二番目の姉も、長姉夫婦の車に乗せてもらって一緒に来ることになった。

私も久々に姉たちに会えるので楽しみにしていた。

そんな時、あんなに温暖だった日々が急激に寒くなって寒波がやってきた。

十七日はこちらは雪がチラついた。

更に、この週はずっと寒波が続くと予報。

姉たちが来る前日十八日は雪情報が気になり、こちらは大丈夫でも来る途中の中国道で、雪の多い場所がありタイヤ規制することもしばしばあるので、心配だった。

姉たちは、雪が降ることが稀なところに住んでいるので、タイヤはもちろんノーマルで、冬タイヤは装備しておらず、タイヤ規制があれば来れないという。

当日までヤキモキしたが幸い十九日は、途中も高速道路のタイヤ規制はなく無事に予定通り我が家に来ることができた。


 姉たちは途中で昼食は摂ってきていたので我が家に来てから少しお茶をして、すぐにまずは母の所に面会に行った。

数日前に施設には連絡していたので、予約していた午後二時頃に行ってみた。

すると母は、お昼ご飯を食べている時から眠気が来て食べなくなったので、やむなく食事を中断してベッドで眠ってもらってるとのことだった。

施設では面会があることが分かっていたので、それなりに準備をして待っておくつもりだったらしいが、一向に起きてくれないので、そのまま待っていたとのことだった。


 面会は三名までなので、私はいつでも面会できるので、長姉夫婦と次姉の三名で面会することになった。

部屋の窓側から入って行って、私は外から窓越しに覗いていたら、「せっかくなので入ってもいいですよ」と言って下さり、特別に四名で面会させてもらった。


 母は呼びかけにも答えてくれずよく眠っていた。

せっかく姉たちが来てくれてるのに、今日に限って良く眠っているようだ。

そうこうしているうちに目を覚ましてくれ、職員さんがベッドをギャッチアップして下さった。

母は姉たちの呼びかけに不思議そうな顔をして、まだ目がしっかり覚めていないのか、反応が鈍かった。

それぞれ母の手を握ったりして話しかけたが分かっているのかどうか……。

姉たちが買ってきてくれた母へのプレゼント🎁(パジャマと靴下)を渡してもきょとんとしていた。


 そんな時、義兄が

「〇〇です。大阪から来ましたよ」と言うと、母は急に手を差し出してきて、義兄の手を握ってきた。

それで私達は急におかしくなって、

「すずちゃん、男性には反応するんじゃね」と大笑いした。

それで二人の姉たちも会話はできなくても母がまだ元気そうで安心したようだ。

十五分という短い時間だったが、母に会えて姉たちも喜んでいた。

私も三姉妹で母に会えたので嬉しかった。

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