第76話 覚悟
救急で病院に行った翌日、二人の姉にすぐ連絡を入れた。今までコロナ禍で県外の人との接触があれば二週間施設利用が出来ないので私の都合で帰省を控えてもらっていたがそんな事は言ってられない。丁度自粛も緩和されてきていたので少しでも母が元気なうちに会ってもらおうと近いうちに来て欲しいと告げた。すぐ上の姉は今も仕事をしていて十六日まではシフトが組んであるのでそれ以降で会社に言って都合をつけてもらうとの事だった。一番上の姉は今は主婦業に専念しているのですぐ上の姉の休みに合わせてこちらに来ると言う。連絡した翌日、すぐ上の姉が十九日~二十一日の三日間休みが取れたというので一番上の姉は十八日の夜~一週間から十日位の予定で来ることが決まった。
施設にも事情を説明し十八日のディサービスを利用後は暫く休む事を連絡した。
かかりつけの病院にも出向いて母の今後の事を相談した。膵臓癌の症状としてはお腹の張りや痛み、食欲不振、黄疸が診られるとの事だった。痛みがある時の為に痛み止めの薬を処方してもらった。
思えば常々母はお腹が痛いと言っていたしお腹が苦しいのはパンツやズボンのゴムがキツイからだと言って脱ごうとしたりゴムを抜いたりしていた。私はそんな母の言動や行動は認知症のせいだと思っていた。お腹が張って固くなっていたので病院で訴えた事もあるがいつも異常なしと言われていたので母が痛みを訴えても又始まった位に安易に受け止めていた。本当に母は苦しんでいたんだなと申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
♪ 介護は続くよ、どこまでも・・・ ♪ なんて呑気に歌っていたがいつまでも続くはずがない・・・。もう高齢なのでいつ何があるか分からないと覚悟はしていたつもりだが改めて再確認した出来事だった。
病院から帰った日から母の部屋で寝る事にした。
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