第69話 更なるアンビリバボーな事件

 ポータブルトイレのバケツを外した所へ排尿されて以来、母の行動には気を付けていたが更なるアンビリバボーな事件が起きた。


 それはある朝方の事。夜中に何度か起きて母の様子は見ていたが朝方になって私はすっかり寝込んでしまっていたようだ。

 母の声がして眠い目をこすりながら急いで母の部屋に行くとベッドの上で下半身すっぽんぽんの格好で「しっこで濡れた~」と言っている。

 パンツもパジャマのズボンも脱ぎ捨てられていた。

 パンツに張り付けていた尿取りパットは傍の机の上にご丁寧に置いてあった。

 まぁ、こんな事は今までにもあった事なので想定内である。

 これ位なら許せた。


 驚いたのはベッドの傍に置いていたゴミ箱の中に尿がたっぷり入っていた事だ。

 思わず「オーマイガット!」と叫んでいた。

 まさか、ゴミ箱の中に排尿した?

 いったいどうやって?

 おまけに周りは尿でべちゃべちゃ。これは想定外だった。  

 眠気はすっかり吹っ飛んで大慌てで片付けていった。


 母の介護生活。どんな展開が待ち受けているか分からない正にアンビリバボーな日々である。

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