第18話 施設の行事

 母は施設に行く事を好んでいなかったが、私は母の利用している施設が気に入っている。年間何度か家族参加の行事があり私はこれがとても楽しみなのだ。春はお花見に始まり、敬老会、秋祭り、八朔狩り等、利用者の家族参加の行事が年何度かあるのだ。私は仕事をしている間は休みが取れずなかなか参加出来なかったが、定年退職してからは殆んど参加している。


 一年目は七月の七夕祭りの飾付けをしてみんなと一緒にお弁当を食べたり十二月には因島に八朔狩り(施設が管理している八朔畑がある)に私の娘や孫達も一緒に参加させてもらって沢山の八朔を取り、お昼はみんなで一緒に鍋料理を食べたりして楽しんだ。二年目は、十二月の八朔狩り、三年目は八月の家族会でちらし寿司や酢の物、おはぎ等みんなで一緒に作って食べたりした。十月は敬老会と秋祭りが一緒にあり、演奏を聞いたり神楽を見たりして楽しんだ。


 この年、母は米寿のお祝いをしてもらった。私は利用者家族代表の挨拶をする事になり緊張したが感謝の気持ちを伝える事が出来て本当に良かった。又、敬老会でみんなからお祝いしてもらった事も感謝だった。十二月は八朔狩りに三年連続で参加できた。四年目には初めてお花見にも参加できた。あいにくの雨でお弁当は施設で食べたが三次の尾関山へドライブしバスの中からだったが桜を見る事ができた。九月は敬老会に参加した。


 この様に家族が行事に参加して楽しむことが出来る施設はあまりないと思う。家族参加でなくても毎月季節に応じて色々なイベントがあったりする。生け花やお茶会、法話会、ドライブがてら近くのお花を見に行ったり等、家では味わえない楽しみがあると私は思っている。

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