第22話 米寿のお祝い
二〇十八年、三月二十七日、母は無事に米寿(八十八歳)の誕生日を迎える事が出来た。三月はまだ肌寒かったので暖かく気候の良い五月に娘三人で母のお祝いをする事になった。母は以前から実家のある三次に行き亡くなった両親、お姉さん達や弟の墓参りがしたいと言っていたが実行できずにいたので、母の願いを叶えようと三姉妹が集まり母と一緒に『お墓参りツアー』と称して五月十六日、三次へと出かけて行った。
幸い母の体調も良く天候にも恵まれた。三次にあるそれぞれの姉の墓参り、実家の両親、弟の墓参りを午前中に無事済ませ、母の実家にも顔を出し弟嫁とも久しぶりの再会も出来、母も一安心したようだ。又、三次のあちこちの風景も懐かしかったようでとても喜んでくれた。
ランチを三次で済ませた後、久しぶりの外出だったが母の体調が良かったので吉田までの帰る途中にある甲田町の『湧永庭園』に寄った。薔薇の開花には少し早くぽつりぽつり咲いているだけだったので残念だったが広々とした庭園をゆったり歩いて回るのは(母は車椅子を借りた)気持ち良かった。途中からは午後の日差しが強くなり汗ばむくらいだったがあちらこちらで可愛い花が咲き整備された庭園はとても綺麗で良い目の保養になった。
母と三姉妹が一緒に過ごす機会が今まではあまりなかったので今回一緒に過ごした事が良い記念となった。母が元気でいる限り毎年一緒に湧永庭園に来ようと約束した。又、母が欲しがっていたシルバーカーを三姉妹でプレゼントし、米寿のお祝いが元気で出来た事が何より嬉しかった。
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