第28話 圧迫骨折

 姉達が帰って行ってから二週間位経った六月の中旬頃、母が腰の痛みを訴えて起き上がるのも困難になって来た。

あまりに痛がるので整形外科を受診してみた。

レントゲン撮影をしてもらうと『圧迫骨折』との事だった。

先生の診断によると尾てい骨辺りが骨折していて過去の骨折も含めると五本目だと言われた。

以前受診して二本の骨折は確認していたが知らない間に他の箇所も圧迫骨折していたらしい。

母の骨は骨粗鬆症でもうボロボロなのだ。

先生に半年に一度の注射で良く効く骨粗鬆症の注射があると言われたので早速打ってもらった。と言ってもこれで今回の圧迫骨折が良くなる訳ではないので暫く腰の痛みは続くと言われ、痛み止めの薬と湿布を処方してもらった。


 それから暫くは腰の痛みで起き上がるのが困難な為、トイレに間に合わず失禁してしまう事も度々あった。

母は失禁する事がショックで落ち込む事が多くなったので私は失禁の事にはあまり触れないようにしていた。

「だんだんつまらんようになった」と母はよくこぼしていた。

それでも夜中のトイレは私の手を取る事なく一人でポータブルトイレにしてくれていたので私は助かった。

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