第29話 三度目の脳梗塞
二〇十九年(令和元年)八月二十三日、この日はデーサービスに行きいつもと変わらず元気そうに帰って来た。
お茶を飲んで少し施設での話しをした後、廊下をシルバーカーを押して歩いていたが気付いたら廊下の隅に置いてある椅子に腰掛けてウトウトしていた。
デーサービスに行った日は気を遣って疲れて帰ってくるのでいつも夕食までの一時間位横になっているので「すずちゃん、ベッドで横になろう」と言うと「分かった」と言ってベッドまで行き服も自分でパジャマに着替えて横になったので私は夕食の準備に取り掛かった。
五時半頃部屋を覗くと軽く寝息をたてて眠っていた。いつもと変わらないと思っていた。
夕食時間の六時になったので部屋を覗くとベッドの上で座っていたので丁度起きてて良かったと思い「ご飯にしましょう」と声を掛けた。
返事がないので近づいて「すずちゃん、ご飯よ」ともう一度言うとベッドの上で座ったまま身体がフワフワしているので驚いて「すずちゃん、すずちゃん」と呼ぶが意識がもうろうとして声掛けに反応がない。
初めて脳梗塞になった時の症状に似ていた。
すぐに救急車を呼ぶと母は地元の総合病院に搬送された。
六時を回っていたので夜間対応で内科に通されすぐにCT検査が行われた。
結果は異状なしだったが前回の事を先生に話して入院して様子を見てもらうようお願いした。
今回は右手、右足に力が入らず反応も鈍いので先生も入院して様子を看る事に同意して下さり金曜日の夜という事で改めて月曜日にMRIを撮る事になった。
それまでは脳梗塞疑いという事で入院となった。
入院の手続きの書類は何度も書いてきたので私も慣れてきていた。
一月に入院して七ヶ月振りなので緊急連絡先などは前回のもので対応して下さった。
今回の入院も思いがけない事だった。
初めての脳梗塞で左半身麻痺の症状はあったものの何とか回復して安心していたが今度は右半身麻痺とは一体どうなるのだろう?
脳梗塞には何度もなると聞いていたがこんなに頻繁になるものだろうか等不安でいっぱいだった。
翌日、病院に行くと前日に比べて右手の動きも少し良くなっていてしゃべるのも今までと変わらない位回復していたので安心した。
月曜日になってMRIの検査を受けた。
結果はやはり『脳梗塞』だった。
脳梗塞の治療として点滴を二週間続けて自宅で生活出来るレベルになるようリハビリしながら様子を見る事になり二~三週間の入院予定との事だった。
脳梗塞を起こす度に認知度は下がってきたように思うが自分でご飯を食べたりポータブルトイレ等も一人で行けるよう徐々になってきたのでこれなら何とか自宅に帰って生活出来そうだと期待が持てた。
こうして三週間の入院を経て令和元年九月十二日無事退院出来たのだった。
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