第25話 二度目の脳梗塞

 明けて一週間、この頃の私は母の完全看護で寝不足が続きヘトヘトになっていた。一月七日は骨折のその後の様子を見てもらう為病院に行く事になっていた。整形外科で待っている間、どうも母の左側に力が入らず立位や歩行が不安定なので脳神経外科も受診してみる事にした。


 検査の結果『脳梗塞』と診断され、リハビリの為二週間程度入院する事になった。やはり前年の十二月二十九日の時点で『脳梗塞』が発症していたのだ。こんな事ならあの時入院したままでいたら左鎖骨骨折だけは避けられたかもしれないのにと悔しかった。母は急な入院で戸惑っているようだったが先生から「しっかりリハビリして家で生活できるよう頑張りましょう」と言われ納得したようだった。


 その後入院の手続きをして病室に落ち着いた時は夕方なっていた。私は次々とやって来る災難に新年早々途方に暮れていた。母の今後の事等を考えたら家に帰ってからも落ち着かなく夜もなかなか寝付けなかった。が、年末からの寝不足からは暫く解放されると思うと母には申し訳ないがどこかホッとする気もした。

 寒い時期なので家に居る時は風邪など引かないよう体調管理が大変だったが病院の方が空調の設備も良いのでその点も安心だった。母が入院して二~三日は何もする気が起きなかった。


 その後母は十九日間の入院生活を送り一月二十五日無事退院した。まだ歩行は不安定だったので施設のスタッフの方が家での生活を心配して下さり二十八日~三十日の二泊三日のショート利用をさせてもらった。夜は、暫くトイレの介助が必要だったのでそれから二ヶ月位は母の隣で寝るようにした。又、それまで家で入浴していたが退院後は週二回のデーサービスの時入浴の方もお願いするようにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る