心身を壊すまでの簡単な経緯
結論から申し上げた通り、私が精神科に通院し、最終的に下された診断は“適応障害”と言うものです。
噛み砕いて説明しますと「置かれた環境に“適応できない”ストレスから、うつ病と同じ症状を出す」病気と言う事になります。
ただし、うつ病と違うのは早期に対処すれば、比較的回復がしやすいという事です。二ヶ月の休職は、その為の処置です。
とにかく、この病気については概要まで。詳しい事は、別の機会に述べさせていただきます。
事のはじまりは、“タケ”さん(仮名)と言う人物が私の直属の上司(班のリーダー)となった所からだと思います。
業務中の行動ほぼ全てに対する指摘、叱責、改善案の要求をされ、監視の目を感じない事は一時もありませんでした。
特に、改善案の要求に関しては、前述したとおり業務にまつわるほとんどのプロセスに突っ込みを入れられ、更に「他人のミス」に対するものも含まれており、膨大な量となっていました。
(他人のミスと言うのは後輩はおろか、たまに現場に出て来た部長クラスや、他部署からの応援の人も含まれています)
それは“宿題”と言う形で家に持ち帰らねばならず、また、その宿題をいつまでに提出するかと言う事も自分で決めねばなりませんでした。
期限を自分で決められる、と言えば裁量が任されているように見えますが、タケさんの中では“早すぎず遅すぎず”の正解がピンポイントで決まっており、
なおかつ、その期限にした理由も(タケさんの中で)理に適っているものを説明しなければなりませんでした。
こちらの指定した期限そのものは正解であっても、そこから更に「何故そうしたか」と言う考えも正解で無ければならず、両方すんなりパス出来たことはまずありませんでした。
内容への言及に対しても、最初から肯定的なものは何一つなく、万事において否定ありきでした。
例えば「慎重に作業を行う」と言う事は、仕事の精度は上がってミスは減りますが、その代償にスピードが落ちるのが基本です。
このように物事には大抵において長所と短所がありますが、短所のみをあげつらわれ、再提出を求められ。
通常業務では凡ミス(とも言えない手順の違い)に気を配りつつ、蓄積していく“宿題”に対処し、タケさんの問答に対応しつつ。
それらが溜まりに溜まってキャパシティが崩壊。
食欲はほぼ喪失し、原因不明の発汗・寒気・嘔吐感を常に感じるようになった辺りで精神科の受診を決意。
この時既に、主治医から休職をすすめられていましたが、職場に穴をあけられないと考えた私はこれを拒否。どうにか薬の処方のみで対応しようとしました。
徐々に、身体を動かすのに莫大なエネルギーを使うようになり、ある日ついに、寝床から起き上がれなくなりました。
そして妻にすすめられ、その日は休んで病院へ。
ベックうつ診断と言う物を受けた結果、危険水準の「40点」をたたき出しました。(ほぼ満点に近い)
「この状態の人を、もう(仕事に)行かせるわけにはいかない」
これが、このテスト結果を受けての、主治医の言葉でした。
この時、主治医にここまで言われてなお、私は、休職を拒否しようと考えていました。
しかし妻が「休んでも良いんだよ」と後押ししてくれた事で、ようやく私は部長に休職したい旨を告げる事が出来ました。
ここから、正式に休職が認められるまでにも色々と悶着がありましたが、それに関しては別の機会に。
私から見たタケさんは、業務において要領がよく、熱意に溢れ、確かにリーダーシップがある人でした。
部下も上司も、全てひっくるめて大きく改革しなければならない、という責任感を持っていたように感じていました。
当時の私について、タケさんとしては、次にリーダーになって貰わなければいけないと考えていた風でした。キャリア的にはタケさんらに次ぐ立ち位置にあったからです。
タケさんの事を正当化するわけにいはいきませんが、私の側にも理由があった事は確かと思われます。
私は、基本的に物事を並行して処理する事が苦手で、他人に指示を与えながら動くと言う事がなかなか出来ない性質でした。
苦手だからと言って努力を放棄している。恐らく、この時のタケさんは真剣にそう考えていたのかも知れません。
余談。
それまで私のチームは“スイ”さん(仮名)という主任が、もう1つのチーム共々指揮をしていたのですが、彼が突然退職した事によって部署の再編成を余儀なくされました。
そこで勤続年数やキャリアから、タケさんと、もう一人“ダイ”さん(仮名)と言う二人が、それぞれの班の「リーダー」に抜擢されました。
個人的には辞めた「主任」の後を継ぐ二人を「リーダー」と言う肩書(=役職ではない)に留めた事も、問題の一つだと思います。
書類の上で彼らは、私の同僚に過ぎないわけです。
実際二人とも「給料は増えないのに、どうして俺が責任ばかり取らないといけないのか」と嘆いていました。
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