面接の時点でブラックな会社
現在のE社が実質4社目の勤め先ではありますが、
専門学校を卒業してから今に至るまで、私もそれなりに就職の面接を受けてきました。
それなりに不採用となった経験もあります。
しかし、今にして思い返せば「あの時受からなくて良かった」と心底思える事例が結構ありました。
負け惜しみ、逆恨みと取られるかも知れませんが、どう受け取るかはお任せします。
今回は、入社にこそ至らなかったものの、面接の段階で思う所のあったケースを挙げてまいります。
一応、時系列順だと思います。
●「急成長中」のお肉屋さん
まだ専門学校に在籍中の頃、就職活動の折に受けた一社です。
専門学校まで行っておいてまるで畑違いな仕事を受ける私も私なら、それを斡旋する学校も学校な気はしますが。
どこぞの市営コミュニティセンター的な、ああいう施設の会議室を借りて、就職希望者が一堂にぶっこまれたシチュエーションにございました。
全体の時間の半分、とにかく二言目には「我が社は急成長中」と言う話のプレゼンを聞かされ、グラフによる成長曲線を見せられるだのなんだのをしました。
(流石に昔の話すぎて、しかも私自身が無気力だった時期。詳細が曖昧なので無責任な言及は出来ないのですが)
残りの半分は、就職希望者が6名程度ずつのグループを作ってディベートをさせられました。
社員の方がディベートの様子を眺めていたとは思いますが、何を基準に採用者を決めたのかは今一ぴんと来ませんでした。
一人一人の話を聞かずして、どうやって人材を見分けるのか。私にはちょっとわかりませんでした。
けれど恐らく、こういう手法の面接は、セオリーとしてあるにはあるのでしょうから、一概に否定も出来ないのでしょう。
●正社員の求人を受けたら派遣の話にすり替わっていた
1社目を辞めてから受けた求人です。
これも昔の話なので細部が曖昧ですが、本業で正社員を募集していたが、その会社が副業的に人材派遣業も行っていた、と言うオチだったと思います。
求人の分類としては「正社員」だった事は確かです。
面接の流れで、私が1社目で培ったスキルを説明したところ、突然目の色を変えて、
「それが出来るのか! 今、ちょうど派遣の仕事でその人材が欲しくて……」
と言う流れに持っていかれました。
1社目では「下積み詐欺」に遭って、契約社員として飼殺されていたので、非正規はただでさえトラウマでした。
当然私は、
「いえ、今回は御社の正社員として希望して来たわけで……」
と言いましたが、
「まあ、1週間考えてみてよ。うちとしても、ぜひ、この仕事をして欲しい!」
と言われ。
後日、連絡があった時に、
「やはりその派遣の仕事は出来ません」
と答えたらどうなったかは、言うまでもありません。
本当に私のスキルを探し求めていたのか、何らかの裏事情的なものがあって、体のいい派遣の斡旋を狙っていたのか。
こと派遣業に関しては未だに疎いので、断定はできません。
●圧迫面接
この辺りも賛否両論、色々あるでしょうけど……。
まず、御大層に5人以上の面接官と向き合う恰好でした。
そして、
「何が出来るかを教えてください」
と訊かれて正直に答えた所、
「正直ね、それなら他でいくらでも替えが利くんですよ。で、他には?」
という詰問を延々と。
「あと、その髪型は?」
と出し抜けに訊かれ、他の面接官はクスクス笑い。
まあ、これに関しては、お金を惜しんで散髪を怠っていた当時の私に、絶対的な非があるのですが……。
その辺、黙って不採用にするのも、品性な気がしないでもありません。
●職場見学で社員の人に挨拶したら怒られた
2社目を辞めたあと……そして、A社と同時期に受けた企業です。
まさしく、運命の分岐点。
たぶん、どっちを選んでも碌なものではなかったと思いますが。
見た目はごく普通の、標準的な、片田舎の中小企業でした。
最初に社長との面接があり、そこに関しては何も印象に残っていない、と言う事は無難な内容だったのでしょう。
問題は、実際に現場を見学させていただく段階になってから。
普通「お疲れ様です」の一言くらい、挨拶しますよね?
場合によっては未来の先輩・仲間になるわけですし。
しかし、そんな私の態度に対して社長が、
「そんな挨拶をする必要は無い!」
と何故か叱責。
どういう意味だったかは測りかねますが……何となく、この会社の、社員に対する扱いが見えた気がしました。
失礼ですが、一人一人の目が死んでましたもの。はっきり言って。
その後、待てど暮らせど、採用・不採用の通知が来ないので、職安に問い合わせた所、ようやく「ああ、不採用です」とのお達しを頂けました。
そういう社会規範も守れない企業だったわけで、結果、こちらから願い下げでした。
もっとも、ここと二者択一だったA社も、社会規範を守れない会社だったわけですが。
ここからは番外編。
実際に受かった会社の話です。
●A社の場合
とんとん拍子でした。
思うに、その会社に受かるかどうかって、面接の時点でもう空気が出てる気がします。
上記のように、どうでも良い屁理屈やこだわりを捏ねくり回すような面接は、大抵もう不採用が決まってます。
いや、仮にそれで採用されたとして、雇われた時にめんどくさい扱いを受けるのは目に見えてるじゃないですか。
A社の時なんかはもう、
「服のサイズいくつかな?」
と、面接もそこそこに言われたくらいです。
内心で採用を決めたら、あとは必要な話にぱっと切り替える。
A社総務部長のこういう所は好ましいと、今でも思っています。
●E社の場合
とりあえずマークシートが流通している程度には普及している、適正テストを受けました。
たぶん、この段階で“極端な特性を持つ人間”を振るいにかけていたのでは無いかと思います。
とりあえず「前の会社の悪口は一切言わず、訊かれたことには素直に答える」
と言う当たり前の事をしていたら受かりました。
あと、履歴書はパソコン書きで送りました。
ここで撥ね退けるような“昭和脳”の会社なら、こちらから願い下げだと言う意図も込めていました。申し訳ありませんが、先方の出方を私は警戒したのです。
それほどまでに、企業に対する不信感というものが高まっていた時期だったので。
けれど結果的に、その判断は正解だったと思います。
今の直属上司も面接に参加していましたが、しきりに私がA社を辞めたがっている理由を知りたがってはいました。
あるいはやはり「ここでA社の悪口を言うような奴かどうか」試していたのかもしれません。
いずれにせよ、無理もない事です。
結構バラバラな業種を、3社も渡り歩いてきて、30代も半ば。
責任ある立場の方で、それも直属の部下になるかも知れない人材に対して慎重になるのは仕方がありません。
彼に対しては、いずれ、落ち着いた折にA社の事を話そうとは思いますが。
とにかく。
面接は、相手が自分を見る場であると同時に、自分が相手を見る機会でもあります。
仮に受かったとしても、自分の感性に問いかけて違和感が残るようであれば……内定を辞退する勇気も必要と考えます。
その会社に縛られて失う年数というものは、取り返しがつきませんから。
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