ブラックとホワイトの違い ~押さえるべき違和感ポイント~ その1
これを書いている時点で転職から一年と経っておらず「ホワイト企業に入れた!」と浮かれるのはまだ早いとは思います。
事実、A社も最初からブラックだったわけでは無かったので。
ただ、AとE、両社には根幹から違う部分が明らかに見受けられます。
エッセイの伝達性を優先する意味でも、ここでは「ブラックとホワイトの違い」として紹介させて頂きます。
また「パワハラ上司が居るか居ないか」「法律を守っているかどうか」とかは、もはや挙げるだけ野暮なので省略します。
●空気を読まされるのがブラック
●空気を読ませるのがホワイト
何度も触れましたが「自分で考えろ」→「訊かずに動くな」や、「他人の判断に頼るな!」と言う言葉が常に飛び交っていたのがブラック職場でした。
必死に空気を読まされている時点で従業員の頭のリソースは無駄に消耗しているので、これが判断ミスや失敗に繋がります。
場合によっては「何を選んでも不正解」と言う状況すら生まれているのに、誰も気付かない。そして、直接携わった人間を無条件でつるし上げる。
理由は、万事においてルールやセオリーが定まっていないからです。事実私はダイさんに「この部分、セオリーを確立しないと、伝達漏れが無くなりません」と言ったところ「この仕事にセオリーなんて無いよ」と嘲笑された事があります。
どれだけ不合理で、そして恐ろしい事を言っているのかわかっているのでしょうか。
たとえ完全オーダーメイドのような、逐一内容の変わる仕事であっても、セオリーが存在しなければその応用もきかせられません。
小説書きとてそうだと思います。型を熟知しなければ、型破りなものは作れない。
その点ホワイトの場合は「どういう時に何をすべきか」と言うルールやセオリーがきっちり決まっています。
同じ、覚える事が沢山ある仕事でも、ホワイトでは判断材料が間違いなく揃うよう出来ています。だからこそ「一々言われなくても動ける」のです。
ブラックでは職場で確保すべき動線すら「自分で考えろ」なので、道が塞がれてトラブルを招きます。
この辺の「空気を読む」と言うのは個々の能力もあるだろうと反論されそうですが。
参考までに、別項で触れたように私の動作性IQ(直感力や瞬間的な洞察力)は、ギリギリ健常者の範疇です。これは、ちゃんと体系立てられた知能テストを受けた結果です。
それでも今のところ、ホワイトで「判断がつかずに困る」と言う事はありません
しかも、正直なところ、現在主に私を指導して下さっている方は(大変失礼てすが)滑舌に癖があり、かなり聞き取りにくい。それにも関わらず、私の動作性IQでも伝達ミスがほとんど無いのです。
●物の定位置がコロコロ変わるのがブラック
●物の定位置がはっきり決まっているのがホワイト
これも空気を読まされる・読ませるの話しに通じるのですが……例えば製品を運搬するための土台が必要になったとしましょう。
ブラックでは、各自、製品にならなかった材料のきれっぱし=廃材から作らされていました。
ホワイトでは、現場に決まった数量の土台があり、その土台が用済みになれば所定の位置に戻るよう、ルールが決まっています。(=土台の絶対数が決まっており、在庫が保証されている)
逐一、廃材から作っていたら、いざ材料が無くなった時にどうしろと言うのか。そこでお得意の「自分で考えろ」「機転をきかせて一人前」です。
しかも、一時期社長からのお達しで「廃材を土台にするな」とルールが変わった事もあります。
そして、それでは現場が回らなくなり、結局廃材を使うと言うルールが、いつの間にか復活していました。
当然、誰となしにルールを戻した瞬間を見逃し、即座についていかなければ怒鳴られ、なじられます。
ここでも無駄に、意識や集中力を浪費させられています。ルールが定かでさえあれば、もっと仕事そのものに専念できると言うのに。
また、ブラックにおいては物に対する責任の所在も曖昧です。
流石にフォークリフトや薬品関係のような、あからさまな高リスクの設備に関しては、法律でも決まっていますので責任者が見ています。
問題は、法律で決まっていない品々。
ここでも「各自が見ていろ」です。
検品を必要とする物の場合、検品の証明が個々に配布されたハンコしかなく、そのために冤罪も日常茶飯事でした。(ハンコを押した人が最後に触ったとは限らない)
特に私と同僚数名の場合、リーダーを敵に回していたため「お前が犯人と言ったら犯人なんだ!」と言われては挽回もままなりませんでした。
(というか、係長のハンコ押し漏れの責任を追わされ、眼鏡まで買わされたんですけどね)
とにかく、ブラック職場では物に追跡性と言うものがないのです。
ホワイトでは、ある事物にトラブルがあった場合、すぐに状況を追えます。いつ、どこで、誰が関わったかがはっきりしますので、冤罪も不正も起き放題ではありません。
どうにも、ブラック職場では“改善”というものが実った試しがありません。
◯◯と言う問題が起きたから△△しよう、と呼び掛けるまでは良いのですが、それが定着しないのです。
私怨抜きで、部長クラスの怠慢だと思います。A社のみならず、これまで辞めてきた三社ともがです。
職場のルールを構築するには、部長クラスの音頭が無いと難しいです。
「△△しろ。あとはお前らでやれ」
これを部長から係長へ、そこから主任へ、そして末端のヒラへ。
さしずめ負のトップダウンとでも言うべきでしょうか。誰かがやれば良い、他人任せ。上がやらないから、下もやらない。
ホワイト職場であれば、髪の毛一本混ざってはいけない状況であれば、職場の入退出のたび、例外なく全身をローラーがけさせます。
定期的に社員全員にローラーがけをする人員すら確保されています。
●やる気向上的なポスターが貼ってあったらブラック
あれです、あれ。
あの……「社員のやる気向上を目指そう!」と銘打ったポスター。
ツイッターとかのネット界隈で見かけた事、ありませんか? もしくは、会社に貼ってあったの見た事は?
こんなマイナーきわまりないエッセイが先方の目に留まるか否かはさておき、余計な責任を負って営業妨害だとか言われたくないので、はっきりと名指しできないのがもどかしい所ですが。
こういう話に大事なのは、何より伝達性だと言うのに……。
とにかく、各自で何となく察して調べて見て下さい。
「会社や上司任せでなく、社員が率先して考えよう!」
「無理とか最初から言わない!」
「人、予算、設備、時間の多寡など言い訳!」
こんな感じの、あれです。
だから、あれですってば。
……冗談はさておき。
コレ、A社の現場事務所に貼ってありました。
正直、本来こういうの(エンターテインメントとして)大好きなんですが、自分の会社に貼られてたとなると少しも笑えませんでした。
恐らくは(旧)部長の仕業でしょう。新しい方の部長、および、役員以上は関与していない筈です。
内容に関しては、言うまでも無いでしょう。
それらを全て、主任以下の職員で解決しろと言うなら、部長以上の役職者はそろってごく潰しだと認めているようなものです。
しかもそれを、自分の責任ではなく、こういう「販売している物を買って」主張している時点で恥を知るべきです。
いや、恥と言う概念を知って居ればこんなもの買わないか……。
「我が社のポスターを買った会社に気を付けろッ!」
そう、警鐘を鳴らしているのではないか、とすら思います。このポスター。
正直、あげつらうと枚挙に暇がないほどあるのですが、流石に長くなってきたので分割します。
とにかく「この職場、おかしいぞ?」という違和感は大事にしましょう。
慣れてしまうと難しいかも知れません。
しかし、頭の片隅に置いておくだけでも、いざと言う時の判断材料になる事でしょう。
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