あおり運転

 あおり運転が今ほど取り沙汰されていなかった頃。

 私もその被害を受けた事があります。

 顛末としては、

 法廷速度50キロの道で、凹みだらけ錆だらけの軽自動車がノロノロ運転していた。(30キロも出ていなかったでしょう)

 私はウインカーを出し、断った上でこれを追い越そうとしました。

 しかし追い越そうとする寸前、相手車両が急に速度を上げてこれを妨害。

 私も素直に後ろに戻れば良かったのですが、そのまま追い越せそうだったと思い、追い越しを敢行。判断ミスでした。

 そのあとは、クラクション乱打・パッシング・蛇行しながらのあおり運転と言うロードレイジのフルコースをもらった挙げ句、赤信号の交差点で幅寄せし、

「おい! 出てこい! おいコラ!」

 と言う野生をひたすら迸らせていらっしゃいました。

 幸い、私が大人しく後ろについてからはそれ以上の追い討ちはありませんでしたが。

 

 さて、何故に今ごろこんな昔話を持ち出すのか。

 言うまでもなく、この人物の精神性がブラック上司のそれに通じているからです。

 私がA社のリーダー達を「殺人者」「ストーカー」「詐欺師」「麻薬中毒者」と、ありとあらゆる犯罪者に見立てて来たのは、何も私怨からではない。

 この経験……怒りと喜悦がない交ぜとなったあおり運転犯の顔が、ブラック上司らとどこかダブっていたからです。

 そして私が今挙げたような「自分本意な、人として恥ずかしい犯罪者」の根源には、どうも同じか、それに近い精神病質があるのでは無いかと思いつつあります。(犯罪行為に毀誉も何もありませんが)

 それが、ここ最近挙げてきた「自己愛性パーソナリティ障害(以下、NPD)」なのです。

 このあおり運転犯がどう言うつもりだったのか、今にしてはわかりません。

 経験上、NPD者の場合「相手が自分の筋書き通りに動かないと病的な逆上を見せる」傾向にありますが、このあおり運転犯は因果が逆になっている気がします。

 追い抜かれるのが許せないのなら、最初からまともな速度で走れば良い。

 そして私は車の見た目から勝手に「運転もおぼつかなくなってきた老人」を想像していたのですが、実際には三十代前後の比較的若い男でした。

 あおり運転モードに入ってからのキレッキレの動きと言い、感覚は鈍っていない事がわかります。

 となると可能性としては「破損しても良い車で他人を釣り、あおり運転に持ち込むのが目的だった」と言うのが彼の筋書きだったのでは、と思います。

 早い話、他人を罠にかけて憂さ晴らしをしたかったのでは、と。

 これがNPDによるものなのか、もっと他の症状なのかはわかりませんが……。

 ただ、パワハラ・モラハラ・殺人・麻薬中毒・DV・あおり運転。全ては決まった病理で繋がっている事は確かでは無いでしょうか。

 最近のコロナ禍を受けて「マスク警察」「自粛警察」なるものも跋扈しているのも、怒る理由が欲しいからではないでしょうか。

 マスクをしたまま、どうやって物を食べろと言うのか。少し考えればわかるのに。

 別エッセイになりますが、私は最近コロナ禍を受けて会食の参加見送りを示唆した所、凄まじいキレられかたをしています。

https://kakuyomu.jp/works/16816452218321983797/episodes/16816452218749254578

 やはり、A社においても耐えても無駄どころか逆効果だったのです。

 彼ら彼女らを、自分達と同じ条理に当て嵌めて対応した、私の無知が悪かった。

 

 なお、このあおり運転の件をある知人に話した所、

「うん、そうなんだ。それより俺さ(以下略)」

 と軽く流されました。

 まあ興味が無いのは仕方がないし、それを隠すのが巧い人も下手な人もいる。

 けれどここから数年、私はこの人物によるNPD的特質に振り回される事になるあたり、あまり笑えない落ちがついています。

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