自己愛性パーソナリティ障害とパワハラその3

 概ね順調な滑り出しのE社ではありますが、残念ながら約一名、強烈な“違和感”を感じさせる方がいらっしゃいます。そして、実害も出ています。

 もしかしたら今後、言及する機会が増えるかも知れないのでここではホクさん(仮名)と言う名を付与しておきましょう。

 前回の自己愛性パーソナリティ障害(以下、NPD)の定義に当て嵌めてみると、今のところは〇4個と言った所です。

 一応、NPD確定の範疇外ではありますが、まだお互いを碌に知らない状態でコレと言う事には留意が必要です。

 とりあえずホクさんの具体的な特徴を挙げてみましょう。

 

・ほぼ初対面時から高圧的な対応。お互いの歳も知らないうちからタメ口(別に仮にこちらが年上でも偉そうにする気はありませんが、社会通念的なマナーとしてどうでしょう? 勿論、私はホクさんに対して終始敬語です)

・会社のルールで、とあるエリアに出る時は靴を履き替える(しかし、移動近距が短ければ履き替えない事を黙認されている)事に対し、私が全て履き替えて居たら「その距離を出るのに一々履き替えなくていい!」と罵倒→新人にルール違反を強要

・ホクさんのミスが原因で私の仕事が止まる→作業台をバンバン叩き「早くして!」とブチ切れる

・↑に対し私もブチ切れつつホクさんのミスを指摘→この流れの乱れに対応しきれない(他の仕事に手を付けても良い状況だと気付かない)事に対して「〇〇したらどうなの!?」と、これまたヒステリックにブチ切れる。恐らくは思わぬ反撃を喰らった意趣返し

・私以外の人間(特に年配の方や役職が上の人)に対する声色が明らかに別人で、従順=NPDの定義の一つ「他の特別なまたは地位の高い人達(または団体)だけが理解しうる、または関係があるべきだ、と信じている」の疑いが濃厚

・台車で私を轢きそうになるが謝罪もなし→後で私が急ぎの仕事を駆け足でやっていると「そんな急いだら危ないよ」→投影性同一視の疑い。

 

 とりあえず幸いなのが、この方は非正規雇用であるので、私の安全を脅かす決定権が何一つ無い事。

 そして、どうも私と作業領域が重なっている時にしかちょっかいを掛ける気がないので、A社の時のように追い込まれる事はまずないと思われます。

 しかしながら、ターゲットが私だけであるらしいのが解せません。

 私よりも更に後に入ってきて、まだ要領もつかめていない方に対しては真っ当な対応なので、恐らくこの方からすれば「私そのものに原因」があるのでしょう。

 しかし、そもそも初日の朝礼で当たり障りのない挨拶をした程度で、あとは必要最低限の会話しかしていなかったはずです。

 まあ、重ねて言いますが私の動作性IQはギリギリ健常者の範疇であり、掃除などの雑務に対する初見での手際は良いとは言えません。そこが神経に障り、後で改善しても手遅れと言う事かも知れませんが、それならやはり、私より後に入ってきた人も同じくらい手際が悪かったりするのですが……。

 ともあれ、これ以上、私は自分の非について考える気はありません。

 この方の主観で無い欠点があるなら、自ずと他のまともな先輩・上司からも突っ込みがある事でしょうし、最初から結論ありきで考えに修正をかけないNPD者(もしくはその疑いがある方)に対しては、まともに自分を省みようとしても無駄だからです。

 嫌いな理由が「声・発音」だったり「顔のつくり」だったりする可能性すらあるのです。

 何なら匂い……それも「無臭」である事が理由かもしれない。一般的に、体臭があったり、香水をつけている事で嫌われる確率の方が高いのに、その対極にある「無臭」が原因かもしれないと警戒しなければならないのがこの手合いですから。切りがありません。

 自分が悪い、と言う思考に囚われて委縮し、パフォーマンスを落としても職場の損害でしかない。

 

 とにかくNPD者、および、NPD疑いのパワハラ上司・先輩と言うのは、折れる事を知りません。

 私も私で個人的な事情からホクさんに(反射的に)殺気満々の声で怒鳴り返してしまい、(この事情については別項「0社目 母親からしてブラック」を参照の事)

 流石にやり過ぎたか……と反省していたのですが、そこから更に重箱の隅を突くような意趣返しでヒステリーをぶちまけられる辺りは非常にタフネスを感じました。

 ここまでで散々述べて来たタケさんは言うに及ばず、思い返せば前回から引き合いに出して来た「路地裏爆走男」(以下、NPD満点者)なんかもそうでした。

 彼と私は、やんちゃ盛りの男の子だった時からの昔馴染みでした。

 小学校低学年の時分、取っ組み合い・殴り合いの喧嘩をする機会もありました。

 けれど今にして思えば、あの頃の喧嘩って暗黙のうちに「これ以上やったら駄目」「この辺りで引き下がる」と言うルールがあったように思えます。

 まあ、犬や猫でさえ、兄弟姉妹とのじゃれ合いを通して「仲間にこれ以上の強さで噛んだらいけない」と学ぶそうですから。

 その点、このNPD満点者は、手加減を全く知らなかったと思います。

 正直なところ、彼はフィジカル面では学年でも最低ランク……喧嘩や体育が弱い事に定評のある男でした。

 当時の私が彼と喧嘩になった時、普通なら「大体ここで、どちらかが泣くか捨て台詞を残してお開きになるだろう」と言う段階になっても、彼は止めないのです。

 それどころか、一撃一撃を重ねるごとに、あちらの攻撃が重さを増していくのを感じました。今にして思えば「私が降参する・もしくは倒れる」と言う、彼の中にある絶対的な筋書きが何時までたっても成就しないため「より加減をしない打撃を加える」と言う対策に反映されて行ったのでしょう。

 そして彼にとっての筋書きにおいて「彼が降参する・もしくは倒れる」と言うビジョンはありません。それを支持する要素は全て排除「しなければならない」為に、彼は決して折れる事が無かったのです。

 正直、当時の私はこの「喧嘩で最弱の男」を侮って居ました。

 けれどまあ、子供の頃のやんちゃに“評価”なんて事をするのもみっともないですが……今なら彼が“強い”と私は思えます。

 恐らく身体を鍛えてプロボクサーになっていたら、かなり良い所まで行けたのではないでしょうか。

 結果的に、彼の選んだ道は頭脳労働でしたので、まあ下手に腕力が付かなくて正解だったのかも知れませんが。

 ちなみに仕事の面では(同じ職場には絶っ対に! なりたくありませんが)私は彼の勤勉さ・知識の深さを内心で尊敬しております。

 

 どうやら、私はNPD者(あるいはその疑いがある者)に嫌われやすい体質をしているようです。

 まあ「全てが自分の筋書き通りに動かなければならない」人間の(勝手な)シナリオに「他人の気持ちを斟酌するのが苦手」な私が入り込むわけですから、水と油なのかもしれません。

 けれど私は彼らに対して半歩たりとも歩み寄るつもりはありませんし、考える事もしません。既にホクさんに関しては、内心で端から否定しにかかるスタンスが出来つつあります。

 

 “普通に生きて居るつもり”で他人を危険にさらす人間が居たとするなら、どうしたものでしょうか?

 私は、傲慢であり冷酷ですらあるとわかりながらも、こう言います。

「こういった人達がありのままの姿で生きられる場所など、この社会の何処にもない」

 一度は彼らのような人間に殺されかけ、人生を壊されかけた私には、これを言う権利があると主張します。

 私が考え付いた限りのNPD者の末路は、いずれも孤独なものでした。

 いや、末路といっても大半はまだ存命ですが。

 

・子供にすら「同じ車で行動したくない」と拒絶される

・都度、都合のいい相手と仲良くしては距離を取るので、本当に親しい人間が居ない

・失踪しても誰も追わないし、次の瞬間には“昔話、過去の人”として語られる

・「(仲間をいじめたこいつの)存在自体が許せない」として、排斥にあって、すごすごとコミュニティを去る

・ほぼ孤独死(私の父が半ば嫌々後見人にされ、事務手続きはしましたが。葬儀に参列したのは甥っ子二人だけ)

 

 いくら巧く立ち回り、有力者に取り入った所で、“まこと”の無い関係性の相手は皆わかっていますし、かえりみる事もありません。

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