第七回 境界を越え、広い世界観。


 ――遥々臨む。



 お家は……


 二階建ての一軒家。とっても広い。



 僕の部屋は二階……


 ベッドを下りて車椅子。いつも窓から外を見ている。


 あくまで、あくまでも、

 空想するのが大好きで、あくまでもイメージなのよ。


 実際は一階にあるのよ、僕の部屋。



 ……でも、窓から外の世界を見てきたのは事実なの。


 空想大好きなのも、小さい頃から。


 小学四年生の春に、

 小学四年生の春から、僕は学校に行っていない。



 確かに僕は内向的だけど、

 いじめに遭っていたわけではない。


 学校が嫌いなわけではないの……



 ――むしろ大好き!


 だから……だから、窓から見ていたの、登校する子。

 だって、楽しそうだもの。


 あのよく似た二人も。そのお姉さんも。三人とも楽しそうだもの。


 だから境界を越えたいの。お家というバリアフリーな境界を……。



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