第六十九回 皆が集まる。


 ――そう、僕の視野いっぱいに、


 集まる皆。また会うことが叶う。



 懐かしくも、

 つい昨日のようにも……


 目覚めて間もなくのことだから。



 ぼんやりするのは、


 視界だけではなく、

 頭の中もまだ……地に着かないという表現。


 でも、確かに……

 僕はここにいるの。皆の輪の、ど真ん中に。


 精一杯の声で……


 囁く程度にしかならないけれど、

 僕が、今一番に呼びたい名前……その名を。



 ……ちか……ちゃん。



 その名の人、その名の人物、

 ちゃんと、わかってくれた。



 ありがと、……生きててくれて、本当に……



 そう言ってくれた。


 そっと、抱きしめてくれた。……千佳ちか先輩が。



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