第六十四回 生命の力。


 陽の当たる場所へと、

 地より湧きたる生命。



 七日間という時間に、

 最高の輝きを放つの。


 長きを選ばすに、

 短くても懸命に、

 奏でる蝉時雨よ。



 僕もまた然り。


 そんな逞しい生命に、

 僕は憧れる。強き生命の力。


 力の入らないこの手で、

 持てる力をもって僕は、

 筆を持ち描く。


 僕の魂を此処に刻む。



 ――魂は永遠。


 蝉時雨のような、

 七日間だけの輝きでも、

 僕は、逞しく輝きたい。


 見てて、千佳ちか先輩。

 見てて、みんなも。


 星野ほしの葉月はづきという、

 十二歳の女の子の輝きを。



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